猫の『ヒゲ』を切ることがNGな理由

1.センサーの役割を担っている
猫のヒゲは「ただの飾り」ではなく、センサーの役割を担っています。
ヒゲを切ると、猫は自分の体の大きさや周囲の距離感がつかめなくなり、不安やストレスが強まりやすくなります。
人で例えるなら、急に視界の半分が見えにくくなるような感覚に近いものです。いつも通りの行動ができなくなり、普段は平気な段差でも躊躇してしまうことがあります。
2.ヒゲは空気の流れを読むアンテナ
猫のヒゲは、空気のわずかな動きまで読み取れます。
暗い場所で障害物を避けられるのは、このヒゲが周囲の空気の変化をキャッチしているからです。夜道をライトなしで歩けるような感覚と考えるとイメージしやすいかもしれません。
ヒゲを切られると、猫は「何がどこにあるのか」の情報が急に欠けてしまい、慎重に歩かざるを得なくなります。
動きがぎこちなくなったり、狭い場所に入るのを怖がったりする様子が見られることもあります。
3.ヒゲを切ると精神的なダメージが大きい
猫にとってヒゲは自信の源にも近い存在で、周囲を正確に把握できるからこそ伸び伸びと動けます。
ヒゲが短くなると「うまく動けない」「何かが違う」という違和感が続き、強いストレスを感じてしまいます。
見た目を整えるためにヒゲを切る行為は、猫の心に大きな負担をかける行為になりかねませんし、猫の精神的にも落ち着かない状態が続きます。
猫のヒゲは猫が安全に暮らすための重要な器官

猫のヒゲは、外敵から身を守るときにも役立っています。
距離感や動きの予測が正確にできることで、素早く逃げたり隠れたりする判断が可能になります。家の中で暮らす猫でも、ヒゲが正常に機能することで家中を安全に移動することができるのです。
ふだんの生活では気づきにくい小さな段差や家具の配置も、ヒゲの情報があるからこそスムーズに避けられます。
まとめ

猫のヒゲは、距離感の把握から暗闇での移動、心の安定まで幅広い役割を担っています。
切られてしまうと、猫は「自分らしく動けない」という大きな不安を抱え、自信を失ったような行動を見せることもあります。
ヒゲは生え変わるとはいえ、切ることによるストレスや不便さは大きな負担になるものです。
猫が日々の暮らしをのびのびと過ごしてもらうためにも、ヒゲには手をくわえず、そのまま自然の状態を大切にしてあげたいですね。