カロリー計算は大切

適正カロリーとは、猫が健康的で理想的な体型を維持するために、1日に摂取すべきエネルギー量のことです。必要なカロリーの量は、体重だけで決まるわけではありません。年齢、避妊・去勢の有無など体の状態、活動量といった個別の要因によって大きく変わるため、計算によって目安を知ることが大切です。
最低限のカロリーを知る

まず土台となるエネルギーの量を知る必要があります。安静時エネルギー要求量は、猫がただじっとしているだけで、生命を維持するために最低限必要なカロリーのことです。以下は猫の体重に対する安静時エネルギー要求量の目安です。
- 体重3.0kg…約160kcal
- 体重4.0kg…約198kcal
- 体重5.0kg…約234kcal
生活スタイルにあったカロリーを計算する

次は猫の生活スタイルを含めた実際に1日に必要なカロリーを求めます。1日に必要なカロリーは、安静時エネルギー要求量に猫の状態に合わせた係数をかけることで計算できます。この係数は、猫の成長期や運動量、太りやすさなどを調整するためのものです。代表的な係数は以下の通りです。
- 生後4ヶ月未満の子猫…3.0
- 避妊去勢手術済み…1.2
- 避妊去勢手術なしの成猫…1.4
- 太り気味で減量したい場合…0.8~1.0
- 高齢の猫…1.1
「1日に必要なカロリー(kcal/日)=安静時エネルギー要求量✕係数」に当てはめて計算します。例えば、体重4kg、避妊・去勢手術済みの猫の場合「198(kcal)✕1.2=約238kcal/日」となります。
減量が必要な場合は、現在の体重ではなく、目標とする理想体重を使って安静時エネルギー要求量を計算し、その値に係数(0.8〜1.0)をかけます。減量は必ず獣医師の指導のもとで行ってください。
フードの量とおやつの計算

1日に必要なカロリーがわかると、実際に与えるフードの量を計算することができます。フードのパッケージに記載されている100gあたりのカロリーを確認し、次の計算式に当てはめます。
- 「1日の食事量(g)=1日に必要なカロリー(kcal)÷フードのカロリー(kcal/100g)✕100(g)
例えば、1日に必要なカロリーが192kcalの猫で、フードが380kcal/100gの場合「192÷380✕100=約50.5g」となります。
おやつを与えたり、フードにトッピングをする場合、その分のカロリーも考慮します。猫のおやつやトッピングの量は、1日に必要なカロリーの10程度に抑えるのが理想です。そして、与えたおやつやトッピングの分のカロリーをフードから減らしましょう。
まとめ

猫の健康管理のため、適正カロリーを計算して確認してみましょう。ただ、計算結果は目安です。猫の肋骨や腰のくびれ具合から、やせているか、太っているかを評価する「ボディコンディションスコア(BCS)」も取り入れてカロリーが適正かどうかも判断するとより猫の健康維持に役立ちます。もし、愛猫の体型や体重に急激な変化があった場合は、自己判断でフードを調整せず、必ず動物病院を受診しましょう。