ゴロゴロ音の正常・異常の違い

猫が喉を鳴らすゴロゴロ音は、喉周辺の筋肉が規則的に動くことで声帯のすき間がパカパカと開閉し、その隙間を空気が通ることで音をならしてることが最近の研究でわかりました。感情表現などのコミュニケーションとして使われ、ふだんはリラックスしているときや嬉しいとき、愛情表現、親子猫の会話としてゴロゴロ鳴らします。
ところが、体の痛みや体調不良、強い不安を感じているときにも喉を鳴らしていることがあります。これはゴロゴロ鳴らす中では異常なサインです。
正常か異常かを見分けるには、音だけでなく、いつゴロゴロ鳴らしているか、猫の表情や姿勢をよく見ることが大切です。
リラックスした様子で穏やかにゴロゴロ鳴らしていれば心配ありませんが、体を丸めてじっとしている、食欲不振がある、息が苦しそうなど、その他の様子が見られたら要注意。病院の診察台で極度の不安からゴロゴロ鳴らす猫もいます。
猫の状態を総合的にチェックして、いつもと違うサインを見逃さないようにしましょう。
異常サインを見分けるポイント

猫のゴロゴロ音で異常を見分けるには、聞こえているゴロゴロ音そのものよりも、いつもの様子と違うかで正常か異常かを見分けるのが現実的です。
- ゴロゴロ音を出す場面がいつもと違う
- 姿勢の変化
- 表情のこわばり
- 触ったときの反応
甘えているときではなく、あきらかにリラックスできない場面や、ひとりでおとなしくしているときにゴロゴロ鳴らしていると要注意です。
また、体を縮めたまま姿勢を変えない、片側に体重をかけ続けるなどの姿勢の変化、目つきや口元がこわばるなどの表情の異変も分かりやすいポイントです。特に、触ると身体が硬くなる、震える、避けるような反応を示す場合は、痛みを抱えている可能性があります。
ゴロゴロ喉を鳴らしていても、ふだんとの様子と比べて違和感があるかどうかが、異常かどうか判断の鍵になります。
異常に気づいたときの対処法

猫がゴロゴロ鳴らしているときに異常を感じたら、まずは全身の状態をもう一度確認しましょう。食欲や排泄、活動量の変化がないか、呼吸や姿勢にも注意します。猫の体調は食欲と直結することが多いので、食欲は食べるときの気力や量も含めて確認してください。
特にいつも通りなら1〜2日様子を見てみましょう。動物病院に連れて行くタイミングは、元気がなくずっと寝ている、呼吸が苦しそう、嘔吐や下痢、排泄時の異常などが見られるときが目安です。くしゃみやせき、目やにや涙目などにも注意してください。症状がいつ頃から出ているか、ほかに体調の異常がないかを記録しておくと受診時に役立ちます。
受診時には、気づいた時点からの症状の経過や、食事や排泄の状況を獣医師に伝えましょう。早めに治療を開始することで、症状の悪化を防ぐことができます。
まとめ

基本的に猫が喉をゴロゴロ鳴らしているときは、幸せや満足のサインですが、場合によっては痛みや不調を訴える異常のサインとしてあらわれることもあります。
異常なサインを見分けるには、ゴロゴロ音にとらわれずに、猫の表情や行動、食欲、排泄状況などを総合的に観察することがとても大切です。特に気になる症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
猫は体調不良でも隠してしまうため、一見いつもと同じように喉を鳴らしていても、実は満足しているわけではなかったということもあり得ます。隠れた不調を見逃さないためにも、日頃からよく観察しておくようにしましょう。