著名な作家とともに像の「モデル」になった猫 その出来栄えにファンからブーイング 英国

著名な作家とともに像の「モデル」になった猫 その出来栄えにファンからブーイング 英国

このたび完成した英国作家を讃える像には、地域で有名なアイドル猫もモデルになって一緒にその姿が添えられました。ところが制作費の募金に協力した人々は「猫が本物にまったく似ていない」と不満を感じています。

地元の著名作家と、人気猫をモデルに…

トラッカー装置をつけた猫

画像はイメージです

英国ドーチェスターで、著名な作家であり詩人でもある Sylvia Townsend Warnerを讃える像が完成し、2025年クリスマス前の行事で公式にお披露目されることになっています。

彼女は猫好きで知られていたため、この像にも猫が添えられています。そのモデルになったのは、ドーチェスター中心部を練り歩いて地元の人々から愛されているアイドル猫Susieです。Susieはとても有名で、Facebook上には毎日の足跡を探る専用ページが設置されているほか、この猫を主役にした絵本も出版されているほどなのです。

しかし像の公開を前に、その出来栄えを目撃した人々から不満の声が上がっています。像の猫が「Susieにまったく似ていない」というのです。

猫のファンからは不満の投稿も

子供と猫

画像はイメージです

この像の制作にあたっては、慈善団体Visible Women UKが「Susieがモデルになる」として地元の人々に寄付を呼びかけ、資金を集めました。同団体では「像の制作にあたっては、Susieをインスピレーションにした猫を描いたもので、この猫の姿をそのまま写しとったのではない」と説明しています。

それでも寄付者の中には「だまされた」と感じている人もいるようです。ソーシャルメディア上には次のような投稿が見られます。

「明らかにSusieではありません。わたしたちはこのまちの猫の女王を像という形で残し、その栄誉を称えることを期待していたのです。像の猫はまったく本物と似ていません。Susieがふだん身に着けている首輪や追跡トラッカー、体の象徴的な斑点や縞模様はどこにいったのでしょうか? 本当にがっかりです」

「ヘドロのように緑色をした像は、まったく美しくない」

「像はこれでもいいけれど、それとは別に新たなSusieの像が必要です。あの猫は最高なのだから。新しく猫の像を作るための嘆願書を出そうかと考えています」

モデルではなくインスピレーション?

喉元を撫でられる猫

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2024年、Susieの飼い主であるJenny Gravesさんが発起人になって像の設置のプロジェクトが始まりました。当時彼女は「Sylvia Townsend Warnerの像には、彼女が好きだった猫を添えることが決まり、そのモデルにSusieが選ばれました」と述べています。現時点でJennyさんは像の出来栄えについてはコメントを避けています。

Visible Women UKの広報担当者は、次のように話しています。

「あくまでもSusieをインスピレーションにした猫の像であって、本物そっくりなレプリカを作りたかったわけではありません。制作者のDenise Duttonさんは、Susieそっくりの像を作るためには常に猫のそばにいて観察し、寸法を測り触れ合う必要があると感じていました。でもそれは動物にとって迷惑であり苦痛を伴う行為です。動物を愛するわたしたちは、決してそのような行為を許さないことで意見が一致しました」

「このためDeniseさんはSusieの写真だけを参考に制作してくれました。像の猫はSusieの複製ではなく、その精神にインスピレーションを得て創造した架空の猫です。外見ではなく、その内面にインスピレーションを得た芸術作品なのです」

「多くの方々に電話でこの件についてご説明しました。不誠実な意図は全くありませんでした。でももし誤解による寄付だったと感じ、返金をご希望されるのでしたら、クラウドファンディングの領収書メールにアクセスして返金ボタンを押してください。返金手続きが完了次第、すぐに処理いたします」

出典:Susie the Cat fans up in arms over Townsend Warner statue

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