健康状態を見分けるポイント5つ

ポイント1.食欲
食欲は健康の重要なバロメーターです。必要な量のごはんや水分をしっかりと摂取できているか、食欲はあるか、日々観察しましょう。
また、食べるスピードに変わりはないか、口の中に異常がないか、嘔吐をしていないか、といった点のチェックもお忘れなく。
ポイント2.排泄
トイレをするときの様子や排泄物は、内臓の健康状態を反映します。
健康的なうんちは、細長いバナナのような整った形をしており、やや柔らかめで茶色~黄色をしています。血が混じっていないか、硬すぎないか、普段と違ったにおいがしないかを確認しましょう。
トイレに行く頻度や、おしっこの際に痛がる様子がないかなども気にかけておきましょう。
ポイント3.体重と体型
体重の急な増減や体型の変化があった場合、何らかの病気の可能性があります。
成猫の体重は3~5キロが一般的です。定期的に測定していると、いち早く変化に気づけます。
あわせて背中や腰、お腹周りを触ってみて、脂肪がつきすぎていないか、骨が浮き出ていないかといったボディチェックもすると良いでしょう。
ポイント4.目や鼻、口などの顔周り
顔まわりの変化は、猫風邪や歯周病といった病気のサインである場合も。
目の充血や白濁がないか、くしゃみや鼻水が頻繁に出ていないか、よだれや口臭、歯ぐきの赤みはないか、など部位ごとに観察しましょう。
スキンシップを兼ねて、日ごろからチェックすることをおすすめします。
ポイント5.呼吸
呼吸に異常が見られる際には、猫喘息や心臓病などの病気が考えられます。
猫の正常な呼吸の回数(安静時)は、1分間に20~40回程度といわれています。
安静にしているときに、胸が上下する回数を数えて、通常時の呼吸数を把握しておいた上で、やたらと呼吸が速かったり、苦しそうだったりしていないか確認しましょう。
注意すべき症状と対処法

食欲不振・急激な体重減少
丸一日、何も食べず水も飲まないようであれば、腎臓病や消化器の疾患、歯周病などが疑われます。
一方で急激な食欲増加や過食も、甲状腺機能亢進症や糖尿病といった病気の恐れがあります。
「おなかがすけば食べる」「単に空腹なだけかも」と軽視せず、動物病院への受診を検討しましょう。
血尿・血便が出た
細菌への感染や腸管や膀胱などに腫瘍がある場合には、尿や便に血が混じることがあります。
元気に過ごしていたり、食欲があったりしていても、獣医師の診察を受けましょう。
排泄・排尿の時間や回数、量などを記録しておくと、より適切な診断・治療につながります。
呼吸の異常
呼吸が速くなって体温も上がっているようであれば、真っ先に疑われるのが熱中症です。
すぐに猫を涼しい場所へ移動させて、水分を与えましょう。様子見をせず、たとえ症状が落ち着いても必ず受診を。
呼吸が苦しそうだったり、「ゼイゼイ」と異音がする場合には、迷わずに動物病院へ連れていきましょう。
意識がない・歩き方がおかしい
呼んでも反応がなくぐったりとしている、突然意識を失ったといった症状が出た場合、循環器や神経系のトラブルが原因であることが考えられます。
ふらつきなどの異常がみられる際には、神経系の異常や脳腫瘍などの可能性があります。いずれも緊急度の高い状況ですので、ただちに受診しましょう。
まとめ

猫の健康は、毎日の小さな観察の積み重ねによって守ることができます。食欲や排泄の様子、体重や呼吸といったポイントをしっかりと意識することで、体調の変化を早めに見抜けます。
食欲がない、血便が出た、呼吸がいつもと違うといった症状は、特に注意が必要なサイン。自己判断せずに、すぐに動物病院を受診することをおすすめします。
猫は言葉で不調を伝えられません。飼い主が一番の理解者として、愛猫の姿を常に観察し、ささいなサインを見逃さないことが、健やかで幸せな暮らしにつながっていきますよ。