1.安心している

猫にとってお腹が急所であることはよく知られていますが、実はあごも弱点のひとつです。攻撃を受ければ命に関わるほどのダメージを負う可能性があるため、その部分をあえて飼い主さんにゆだねるのは、強い信頼の証といえるでしょう。
つまり、猫が飼い主さんの腕や足にあごを乗せてくるのは「安心したいから」。すでにリラックスしている状態であり、大好きな人に身をゆだねて安心感を味わっているのです。
そんなときは、信頼のサインをしっかり受け止めてあげましょう。愛猫が好きな場所を優しく撫でれば、「気持ちに応えてくれている」と伝わり、スキンシップを通してさらに絆が深まります。
2.甘えたいから

本来の猫は、生後3ヶ月を過ぎると独り立ちして狩りをしながら生きていくのが習性です。しかし、飼い猫は生涯にわたってお世話をしてもらえるため、子猫のように甘える気持ちを持ち続けることが多いのです。
子猫は母猫や兄弟にあごを乗せて眠る習性があります。体温のぬくもりを感じながら安心して眠れるからです。飼い主さんにあごを乗せるのは、その名残を思い出しているのかもしれません。
愛猫が甘えてきたら、母猫のような気持ちで受け入れてあげましょう。もし眠ろうとしているなら、静かに枕になってあげるのがおすすめです。母猫に寄り添っていたころの安心感を思い出し、心地よい眠りにつけるでしょう。
3.縄張りを主張している

猫のあごからはフェロモンが分泌されます。これは「自分のものだ」とアピールするために擦りつけるもので、額や尻尾の付け根からも分泌されます。
そのため、飼い主さんにあごを乗せる行動は、縄張りを示している可能性もあります。お気に入りのベッドやブランケットにスリスリするのと同じように、「安心できる自分の場所」と感じたいのです。とくに人間に付けたフェロモンは洗い流されやすいため、繰り返し擦り付けてくる猫も少なくありません。
もし愛猫が何度もスリスリしてくるなら、満足するまでそのままにしておきましょう。十分に「自分のもの」と思えると、落ち着いて離れていくこともあります。
4.楽だから

猫の頭は、横に伸びた背骨で支えられているため、人間よりも首や肩に負担がかかりやすいといわれています。そのため「ちょっと疲れたな」と感じると、飼い主さんの体にあごを乗せて楽な姿勢を取ろうとするのです。
ベッドのフレームや家具の縁にあごを乗せている姿を見たことがある方も多いでしょう。猫にとって、あごを何かに預ける姿勢はリラックスしやすく、首の負担も軽くなるのです。
ただし、猫が安心していない相手や危険なものにあごを乗せることはありません。リラックスしているときに、ちょうど大好きな飼い主さんが近くにいたから…という理由で甘えてくるのかもしれませんね。
まとめ

飼い主さんにあごをちょこんと乗せる姿は、とても可愛らしく愛情を感じられるしぐさです。信頼の証でもあるので、見られると嬉しいものですよね。
とはいえ、ずっとそのままの姿勢では飼い主さんの体に負担がかかることもあります。そんなときは、猫を驚かせないようにそっと位置をずらしたり、起きているときはおもちゃやおやつで注意を引いたりして移動してもらうのがおすすめです。