1.防寒(暖をとるため)

猫はモフモフの被毛に覆われていますが、意外と寒がりな動物です。冬になると体を丸めて眠る姿がよく見られますが、これは「保温」のため。丸くなることで自分の体温を逃さず、効率良く暖をとっています。
「猫団子」は、その進化系ともいえる行動です。複数の猫が体を寄せ合って眠ることで、お互いが毛布のような存在となり、体温を分け合って効率良く温まることができます。これは猫が本能的に理解している行動と考えられます。
猫団子が特によく見られるのは冬の寒い時期。さらに体温調節機能が未熟な子猫や、筋肉量が低下して寒がりになりやすい高齢猫も、猫団子に参加しやすい傾向があります。
2.仲良しの証・絆を深める行為

猫は警戒心が強く、信頼していない相手とは絶対に体を密着させません。たとえ同居猫であっても、それぞれの「パーソナルスペース」を保つのが一般的です。
そのため、猫団子をするのは「この相手なら安心できる」「一緒にいても安全だ」と思っている証拠です。仲良しの猫同士だからこそ見られる行動といえるでしょう。
また、猫団子の習慣は性格や生まれ育った環境にも左右されます。子猫時代に母猫や兄弟と寄り添って眠る経験を多く積んだ猫は、成長してからも猫団子に加わりやすい傾向があります。
さらに、猫団子には「匂いの共有」という意味合いもあります。互いの匂いを混ぜ合わせることで一体感が強まり、安心感を得られるのです。
3.本能的な理由

猫は単独行動が基本の動物であるため、「猫団子に本能的な理由はないのでは」と考える人もいるかもしれません。
しかし、猫は本来、狩りは単独で行う一方で、子育てや寒さ対策の際には母子や兄弟で身を寄せ合う習性を持っていました。安全とはいえない環境下では、複数で眠るほうが外敵に気づきやすく、防衛面でも有利だったと考えられます。
つまり猫団子は、「安心感」や「生き残るための術」といった本能に基づいた行動といえるでしょう。
まとめ

猫団子をする理由には、防寒や安全といった実用的な目的、信頼関係や安心感といった心理的な要素、さらに本能的な背景があることがわかります。
一方で、猫団子に参加しない猫もいます。警戒心が強い、単独行動を好む、あるいは他の猫との相性が悪く信頼関係が築けていない場合などが考えられます。
猫団子は見ているだけで癒やされる光景ですが、嫌がる猫に無理強いするのは禁物です。ストレスを与えてしまうだけなので、自然に猫同士が寄り添うのを待つことが大切です。