猫は本当にお留守番が得意?

猫は一般的に「単独行動を好む動物」として知られており、犬と比べて飼い主への依存度が低い傾向があります。
そのため「猫はお留守番が得意」と言われることが多いのですが、実際には個体差が大きく、すべての猫が留守番に向いているわけではありません。
たとえばもともと自立心が強く、環境の変化に柔軟に対応できる猫は、比較的長時間の留守番にも耐えられるでしょう。
一方で甘えん坊で分離不安傾向のある猫は、飼い主の不在に強いストレスを感じることもあります。
つまり「猫=留守番が得意」というのは一部の猫には当てはまりますが、すべての猫に当てはまるわけではないのです。
猫が安全に「留守番」を過ごしてもらうための注意ポイント5つ

1.誤飲・誤食の防止
猫の留守番中に注意すべきことの一つが誤飲・誤食です。普段は興味を示さないものでも、退屈しのぎや不安から口にしてしまう可能性もあります。
たとえば小さなボタン、ゴムバンド、糸くず、薬品、チョコレートなどの人間の食べ物、観葉植物などは要注意、猫にとって危険なものは全て手の届かない場所に保管しましょう。
なかでも見落としがちなのは、猫にとって有毒な植物です。具体的にはユリ科の植物、ポインセチア、アジサイ、スズランなど、多くの観葉植物が猫には毒性を持ちます。
これらはインテリアに溶け込んで、飼い主の注意が向かない場合も少なくありません。
猫を留守番させるときは、こういったものも完全に猫の手の届かない場所に移動させるか、別の部屋に移すのを忘れないようにしましょう。
2.転落・怪我の防止
高い場所を好む猫は、留守番中に「転落事故」が生じやすいので要注意です。
いくら高所が得意と言えど、マンション2階以上の高さから落下すれば猫も無傷では済みません。
そのため窓やベランダには必ず防護ネットや柵を設置し、高い家具の上には滑りやすいものや不安定なものを置かないようにしましょう。窓の開けっ放しもNGです。
また家具の配置にも注意。猫が飛び移る際に足を滑らせたり、家具が倒れたりしないよう、安定した配置を心がけてください。
3.電気系統の安全対策
電気コードによる感電や火災は深刻な事故につながります。特に子猫や若い猫は好奇心旺盛で、コード類に興味を示しやすいため注意が必要です。
留守番中は猫がコードを噛んでしまわないよう、コードカバーを使用したり、コードを触れない場所に配線するなどの工夫をしましょう。
また、電化製品の使用についても要注意。
留守番中に使用する家電は、エアコンなど安全性の高いものに限定し、電気ストーブや扇風機など、猫のイタズラによって事故が生じやすいものは避けるようにしてください。
4.適切な室温管理
猫は人間よりも体温調節が苦手で、夏場は熱中症になりやすい動物です。
そのため夏の留守番では、エアコンを適切に設定し、猫が涼める場所を用意しましょう。ただしエアコンが効きすぎて寒くなった場合に備え、暖かい(常温)部屋も確保しておくのを忘れずに。
冬場は逆に、猫が暖を取れる環境作りが重要です。
ペット用ヒーターや湯たんぽ、厚手の毛布などを用意し、猫が自分で温度調節できるようにします。
ただし火災のリスクがあるため、ストーブなどの家電を留守番中に使用する場合はその安全性も考慮してください。
5.水場の確保
猫は元々あまり水を飲まない動物なので、留守番中に脱水にならないよう注意してください。
とくに夏の水分不足は非常に危険。水場は複数用意し、猫が「喉の渇きを感じたら直ぐ飲める」環境を整えてください。
猫によっては流水を好む場合もあるため、その子の好みに合わせた給水方法を選択しましょう。水の容器は倒れにくく、猫が飲みやすい高さに設置するとベターです。
まとめ

猫は比較的お留守番が得意な動物とされますが、全ての猫に当てはまるわけではありません。猫の年齢や健康状態、性格によって留守番の得意・不得意は大きく変わります。
そのため「猫は平気」と決めつけず、危険を防ぐ環境づくりや快適に過ごせる工夫を徹底するのを忘れずに。
愛猫の特性に合ったサポートを意識し、留守番中も安全に過ごせるよう心がけましょう。