1.「ウー」という唸り声

猫が「ウー」と低い声で唸るときは、単なる不機嫌のサインではなく、防衛本能が働いているサインで「これ以上近寄るな」「近づいたら攻撃するぞ」という意味が含まれています。猫が距離を置きたいと感じている相手に対して発せられる警告の鳴き声です。
たとえば、不快なことをされたときや縄張りを侵害されたときなどの鳴き方です。
この唸り声は、耳を伏せ体を低く構えるなどの姿勢とともにあらわれることが多く、無理に近づくと攻撃に発展する可能性もあります。なるべく刺激しないようにしましょう。
2.「シャー」という威嚇の声

「シャー」という声は、猫が強い恐怖や警戒心を抱いたときの典型的な威嚇音です。この鳴き方は猫が自分を守るための防御サインです。強い警戒心や敵意のあらわれで「近づくな」「攻撃するぞ」「あっちへ行け」などの強い警告の意味があります。
とくに、身の危険を感じたときや縄張りを侵されたとき、知らない猫や動物に遭遇したときなどに発せられることが多いでしょう。猫の性格や過去のトラウマによっては、特定の人だけにこの声が出ることもあります。
「シャー」と言う声を発しているときは、背中の毛を逆立てたり体を大きく見せようとしたりして、不用意に近づくと猫パンチや噛みつきに発展することもあります。
3.「ギャアー」という恐怖やパニックの声

「ギャアー」という声は、猫が極度の恐怖やパニック状態に陥ったときに発せられます。この鳴き方は、猫にとってかなり追いつめられているサインで「やめて!」という悲鳴とも言える叫び声です。
人間に対して発せられることは少ないかもしれません。しかし、なんらかのトラウマの原因になっている相手が近づいたときに発せられる可能性があります。原因になっている人とは、なるべく接触しないようにしましょう。
万が一顔を合わせて、猫が「ギャアー」という声をあげてパニックになってしまったときは、慌てずに猫の安全を確保し、無理に取り押さえようとせずに落ち着くのを待ってください。
嫌いな人に向ける鳴き方への対処法

猫が特定の人に対して発する威嚇や不満の鳴き声は、猫からの「距離を置いてほしい」というサインです。このような状況での一番の対処法は、猫の気持ちを尊重し、無理に干渉しないことです。猫を刺激しないように距離をとり、そっとしておくのが正解です。そして、猫が自ら近づいてくるのを待ちましょう。
猫との関係が悪化してしまった場合は、改善するためにポジティブな経験を重ねることが効果的です。おやつを静かに置く、おもちゃをそっと投げるなど、猫が安心できる距離から少しずつ存在に慣らしていきます。
猫はあなたに対して「この人は危害を加えない」「この人がいると良いことがある」と学習し、徐々に警戒心を解いていくはずです。
焦らず、猫のペースに合わせて信頼関係を築いていきましょう。
まとめ

猫が特定の人物に対して「ウー」「シャー」「ギャアー」といった、威嚇や不満の鳴き声を発するのは「嫌い」という単純な感情だけではありません。恐怖や不安を感じている、過去の経験が原因でトラウマになっているといった可能性があります。
猫が嫌いな人にする鳴き方をしていたら、猫のペースを尊重し、無理に距離を縮めようとしないことが大切です。焦らずに時間をかけてゆっくりと関係を修復していきましょう。