猫が『抱っこが大嫌い』になってしまう4つの理由 抱っこに慣れてもらう方法はある?

猫が『抱っこが大嫌い』になってしまう4つの理由 抱っこに慣れてもらう方法はある?

猫は基本的に抱っこが嫌いな場合が多いです。その理由は猫自身の性格や過去の経験、抱き方などさまざまです。今回は、猫が抱っこを嫌がるおもな原因を解説するとともに、慣れてもらうための方法も紹介します。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.不安定な体勢で抱っこされたから

笑顔の男性に持ち上げられている猫

猫が抱っこを嫌がる理由のひとつには、不安定な体勢での抱っこがあげられます。抱き上げたときに後ろ足が宙に浮いたり、不安定な体勢で抱き上げられたりすると恐怖や不安を感じて抱っこ自体を嫌うようになる場合があります。猫によってはパニックになってしまうことも。

猫は体をしっかり支えられ、安定感のある抱き方を好みます。抱き上げる前に猫の体に手を添えて、ゆっくりと持ち上げるようにして、抱き上げたあとは胸やおなか、後ろ足を優しく支え、猫の姿勢が安定するようにしましょう。

2.強引に抱っこしたから

猫を抱っこしようとしている笑顔の女性

猫は自分の意思で動くことを好む動物です。そのため、強引に抱き上げたり、逃げようとする猫を無理に押さえつけたりすると、抱っこに対して嫌悪感を持つようになります。また、強引な抱っこは、猫に恐怖心や不信感を植え付け、抱かれることを避けるようになってしまいかねません。

猫を抱っこするときは、強引に捕まえたりせずに自ら近寄ってくるまで待つのが基本です。そして、猫の反応を観察し、嫌がる素振りが見られればすぐに中止する臨機応変さも必要です。

3.嫌いなニオイがするから

女性に顔をくっつけられてのけ反る猫

猫が抱っこを嫌いな理由のひとつとして「嫌いなニオイがするから」があげられます。猫の嗅覚は人間よりもはるかにすぐれており、人間には気にならないようなわずかなニオイにも敏感に反応して避けることがあるのです。とくに、強い香りのする香水や柔軟剤、タバコなどは嫌がられます。

また、特定の匂いが過去の嫌な経験と結びついている場合、そのニオイを嗅ぐだけで警戒心が高まり、抱っこを避けるようになることもあるようです。

愛猫といっしょに過ごすときは、タバコを吸わない、香水はつけない、無香料の柔軟剤を使用するなどニオイに配慮するのが良いでしょう。

4.嫌な経験と結びついているから

ヘソ天で抱っこされている猫

もし、あなたが愛猫を抱っこするのが、シャンプーや爪切りのとき、または動物病院に連れて行くときだけだとしたらどうでしょうか?猫は「抱っこ=嫌なことをされる」と結びつけて、抱き上げようと近づいただけで逃げてしまうようになるでしょう。

このような抱っこ嫌いの猫は、無理に抱っこせず、安心できる環境で少しずつ触れる練習を行うことが大切です。時間をかけてポジティブな体験を積み重ね、猫の恐怖心が軽減するようにサポートしましょう。

抱っこ嫌いの猫を慣らす方法は?

女性に大人しく抱っこされている猫

猫の抱っこ嫌いを克服させるには、まずは深い信頼関係が大切です。信頼関係を深めるためには、日頃の接し方が重要になります。

たとえば、トイレ掃除をする、ご飯をあげる、一緒に遊ぶなどの基本的なお世話を行ったり、猫のペースに合わせたスキンシップを取ったりしながら距離を縮めていきましょう。

猫自身にその気があれば、慣れてくると猫のほうから体を擦り付ける、膝に飛び乗るといった行動をするようになります。猫が嫌がらないようなら、座ったままの状態で抱っこしてみてください。抱っこをしているときにおやつを与えて「抱っこ=良いことがある」と学習してもらうのもおすすめです。

ただし、猫が少しでも嫌がる素振りを見せたら、すぐに抱っこを中止し、自由にしてあげましょう。

抱っこの主導権はあくまでも猫にあることを忘れずに、じっくりと時間をかけて慣らしていくことが大切です。

まとめ

少女に抱っこされている子猫

猫が抱っこを嫌う理由には、不安定な体勢への恐怖や不安、不快なニオイ、そして過去の嫌な体験などがあります。しかし、猫の習性を理解し、無理強いせずに少しずつ慣らしていくことで、抱っこを好きになってくれる可能性は十分にあります。

大切なのは、猫と深い信頼関係を築くことです。そして、抱っこは猫にとって「安全で心地よいもの」だと感じてもらうことが重要です。今回ご紹介した方法を参考に、愛猫との絆を深めましょう!

もちろん、どうしても猫が嫌がる場合は、「抱っこ嫌いも猫の個性」と思って受け入れましょう。猫との関係で1番大切なことは猫の特性と個性を尊重することです。

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