猫の美しい『目の色』の不思議3選 全部で何色?めったに見られない珍しい色があるって本当?

猫の美しい『目の色』の不思議3選 全部で何色?めったに見られない珍しい色があるって本当?

猫の目は、色といい、輝きといい、実に神秘的です。今回は、猫の「目の色」にまつわる不思議さに注目して、3つのエピソードを紹介します。ちょっとした猫雑学の新しい知識として加えてみてください。

1.スタンダードな目の色は5種類!

猫のブルーな瞳

基本的なことをおさらいしておくと、猫の目の色を決めるのはメラニン色素の量です。具体的には、メラニン色素の量が多いと目の色が濃くなり、少ないと逆に薄くなります。そのメカニズムは人間の場合とまったく変わりません。

猫の目の色で代表的なものは5種類あり、メラニンの少ない順に挙げると、「ブルー」「グリーン」「ヘーゼル(例:目の外側が薄いブラウンやイエロー、内側がグリーン)」「アンバー(琥珀色)」「カッパー(銅色)」となります。

たとえば、非常に神秘的な雰囲気を漂わせる「ブルー」は、シャムを筆頭に、ラグドール、ヒマラヤン、バーマンなど、いわゆるポインテッド(鼻先や足先など、末端の被毛の色が濃い)の猫種に多い目の色です。

意外にも、「ブルー」の色を持つ猫の目には青い色素がいっさい存在していません。怖いほどに青く透き通って見えるのは、虹彩内のメラニン色素が極端に少ないため、目に入った光のうち、短い波長(青い光)が反射・散乱するからです。

私たち人間の目に空や海が青く映るのも、上記とまったく同じ原理です。専門用語では、この現象を「レイリー散乱」と呼んでいます。

また、一般的に言われている傾向として、「グリーン」は、ロシアンブルーなど、北の地で暮らす猫に多く、逆に「カッパー」は、日照時間の長い温暖地方出身の猫によく見られるとされています。

ちなみに、猫の目の色で最もなじみ深いのは、「アンバー」です。

2.「オッドアイ」は幸運をもたらす!?

オッドアイの白猫

もちろん、前述した5種類以外にも、猫の目の色は存在します。出現確率が非常に稀で、珍しいとされているのが、例の「オッドアイ」です。

「オッドアイ」とは、左右で目の色が違うことを指し、片方が「ブルー」、もう一方が「アンバー」、もしくは「カッパー」になるパターンがあります。

ほとんどの場合、白猫に限って見られる現象で、昔から日本では、「オッドアイ」を「金目銀目」と表現し、縁起が良い猫として珍重してきました。

一方で、科学的な視点に立つと、異なる側面も見えてきます。

実は、「オッドアイ」は、見た目の美しさとは裏腹に、別名「虹彩異色症」とも呼ばれ、主に遺伝的な先天異常(メラニン色素分布の不均衡、白色遺伝子の影響)が深く関わっています。

「オッドアイ」が比較的出現しやすい猫種には、日本にルーツを持つ純血種「ジャパニーズボブテイル」や泳ぎ上手の「ターキッシュバン」などが挙げられます。

3.「オッドアイ」よりも珍しい「ダイクロイックアイ」とは?

ダイクロイックアイのように見えるターキッシュバン

最後に紹介するのは、「オッドアイ」よりもさらに貴重な「ダイクロイックアイ」です。

「ダイクロイックアイ」の「ダイクロイック」とは、ギリシャ語に由来する英語の「Dichroic」を表し、「二色性の」という意味があります。

両目の色が違う「オッドアイ」に対し、「ダイクロイックアイ」は、ひとつの目のなかに異なる色が混じる現象です。

なぜこのような不思議な現象が起こるかと言うと、メラニン色素分布の不均衡や白色遺伝子の影響など、「オッドアイ」と同様に、先天的な遺伝子異常が関係していると考えられています。

「ダイクロイックアイ」には、目の縁取りに違う色が入る「中心型虹彩異色症」(例:ブルーの目にイエローの縁取り)と、目の一部に違う色があらわれる「扇型虹彩異色症」の2通りのパターンが存在します。

驚くべきことに、片方の目が「ダイクロイックアイ」で、もう一方が「ブルー」などの単色の目を持つ超レアな「オッドアイ」猫もいます。

まとめ

目の色が同じな女性と猫

猫の目は、まるで宝石のように美しい輝きを放っています。今回は、猫の「目の色」にまつわる神秘性にあふれた話を3つ紹介しました。

本文の冒頭で挙げた5種類のなかに、みなさんの愛猫の目の色に当てはまるものはあったでしょうか?

猫のなかには、「オッドアイ」や「ダイクロイックアイ」などのように、目の色を複数持つ個体もいます。この点もまた、猫の不思議さをあらわす一例と言えるかもしれません。

スポンサーリンク