なぜ猫は『食後に顔を洗う』?3つの理由と、やらないときに気をつけたいこと

なぜ猫は『食後に顔を洗う』?3つの理由と、やらないときに気をつけたいこと

なぜ猫は食後に顔を洗うの?何かの儀式?それとも…?熱心な猫とそうではい猫の違いは?主な理由や、やらない場合の注意点など詳しく解説いたします!

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫はなぜ食後に顔を洗うの?

手を舐める茶トラ

食事が終わると一斉に顔を洗いだす猫たち。その場に居あわせる猫の数に関係なく皆がやっているように思えるのですが、なぜ顔を洗う必要があるのでしょうか。

ここでは、猫ならではの理由を3つ紹介いたします。どうやらエチケットマナー、儀式の類ではなさそうです。

1.においや汚れが気になるから

顔を洗う猫

猫は毛繕いをすることでにおいを消し、気配を完全に消し去ることで外敵から身を守っています。さらに獲物に正体がバレないようにするためにも、入念なにおい消しが必須になります。

食後に顔を洗う理由も同様で、食事によって付着したにおいや汚れをすぐに落としたい衝動に駆られるのです。

2.余韻を楽しんでいる

舌なめずりをする猫

すぐさま清潔にしたいと思う一方で、余韻に浸りたいという気持ちもあるようです。

特に家猫の場合は、キャットフードの味わい深さを食後も楽しむ余裕があるので、目をつぶりながらゆっくりと顔を洗っているのかもしれませんね。

3.ヒゲのメンテナンスをしている

猫のヒゲ

ヒゲは空気の流れを読んだり、相手からの攻撃を察知するセンサーのようなもの。常に正常に作動しなければ命に関わります。

そんな死活問題にもなり得る重要な場所も、食後は汚れてしまうので、顔を洗いながらメンテナンスをする必要があります。

汚れを落としながら感度をチェックしているというわけです。

洗わないと皮膚トラブルが増える!?

驚く猫

猫が食後に顔を洗う理由は、主に野生の名残りや習慣によるものでした。しかしこれが、巡り巡ってあるトラブルの予防に役立っているのです。

それは皮膚炎。食べカスを放置すると細菌が繁殖し顔周りの皮膚が炎症を起こすなどのトラブルにつながる危険性があります。本能的にやっている行動が、結果的にはありがたい方向に向いているというわけです。

特に毛繕いが難しくなった高齢猫の場合は、タオルで清潔にするなどのケアが重要です。体だけに留まらず、お顔周辺も清潔にしてあげてください。

まとめ

食後の猫

猫が食後に顔を洗うのは、自身の身の安全を守り、新たな狩りに備えるためという説があります。家猫にもこのような本能が備わっているため、実際に狩りをする機会がなくても行うようです。

さらに綺麗好きなことで、皮膚トラブルも自然と防いでいましたね。15歳を過ぎたハイシニアの猫は、段々と洗顔や毛繕いが困難になってしまいます。

すると皮膚炎を招きやすい環境になってしまいます。本人(猫)も不快になり、ストレスにつながってしまうでしょう。

本能的な行動を尊重し、清潔感をキープするためにも積極的なケアをしてあげてくださいね。ちなみに洗顔かと思いきや、目をしきりにかいていたというケースもあります。

愛らしい仕草を楽しみつつ、どの場所を洗っているかよく観察してあげてください。

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