猫がケガをしかねない『フローリングにまつわるトラブル』3選 危険防止の対策も解説

猫がケガをしかねない『フローリングにまつわるトラブル』3選 危険防止の対策も解説

猫との暮らしで意外と見落とされがちなのが「フローリングの危険」。ツルツルと滑る床の上を走り回ることで、足腰に大きな負担がかかってしまうことがあります。この記事では猫とフローリングについて解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.走り回って足を滑らせる

フローリングにいる猫

まず注意したいリスクが、フローリングで足を滑らせるリスク。猫はもともと運動能力が高く、室内でも高速で走ることが日常的。見ているこちらが驚くほどのスピードが出ることもあります。

その際に問題になるのが、フローリングの滑りやすさ。フローリングは表面が平滑で硬め。勢いよく走り出したときに踏ん張りが利かず、体が横滑りしたり、曲がりきれずに壁や家具に激突することも想定されます。

滑ること自体はすぐに大きな問題にならない場合もありますが、それが日常的に繰り返されると、体への負担が蓄積してしまいます。

2.捻挫やケガをするリスクがある

フローリングにいる猫

滑った拍子に体勢を崩したり、思いがけない角度で着地してしまった場合、猫は足首や膝をひねって「捻挫」してしまうことがあります。骨折までには至らずとも、軽い関節のねじれや打撲は、猫にとって大きなストレス。

元気に遊んでいるから大丈夫、と安心せず、「フローリングで滑らない環境」を整えることは、猫の健康寿命を守るうえでとても重要です。

3.冷えやすい

フローリングにいる猫

フローリングのリスクは滑りやすさだけではありません。フローリングの素材は多くの場合、冬にはとても冷たくなります。人間がスリッパなしで歩いて「冷たい!」と感じるように、猫もまたその冷たさを敏感に感じ取っています。

猫はお腹を床につけて寝そべる姿勢を好みますが、体の中でも重要な臓器が集まっている腹部が冷えやすいケースには注意が必要です。体脂肪が少ないシニア猫は寒さを感じやすいため、冷えによる体調不良のリスクがより高まります。猫にとって「冷たい床」は、思っている以上にシビアな環境になる可能性があります。

フローリングの危険防止対策

フローリングにいる猫

フローリングによるトラブルを未然に防ぐには、「滑り」と「冷え」両方に対応した環境づくりが大切です。まず、もっとも手軽なのが滑り止めマットやカーペットの設置。猫がよく走る通り道などに敷くことで、事故を防止しやすくなります。洗濯できるタイプを選べば、清潔さも保てて便利です。

次に、ペット対応のワックスを使用するのも効果的。通常のワックスではむしろ滑りやすくなることがあるため、「滑り止め効果のあるペット向けワックス」を選ぶのがポイントです。

冷え対策としては、床に断熱効果のあるホットカーペットなどを敷くことが有効です。特に猫が長時間過ごすお気に入りの場所には、毛布やクッションなどの温かい素材をプラスするとよいでしょう。部屋全体の暖房を効かせることももちろん大切ですが、「床からの冷え」を直接ブロックすることが、猫にとっては快適な場所につながります。

まとめ

フローリングにいる猫

フローリングは、私たち人間にとっては掃除しやすく便利な床材ですが、猫にとっては「滑る」「冷える」といった困りごとの原因になりがちです。ただ、ほんの少しの工夫やアイテムの導入で、猫にとって安全で快適な空間をつくることができます。

大切な家族の一員だからこそ、日常の生活環境を見直してあげてみてください。

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