多頭飼いでは「性別」を意識するべき?

猫同士の相性には、性別の組み合わせによる良し悪しが見られることがあります。あらかじめ知っておくと、心の準備がしやすくなるでしょう。
とはいえ、実際のところ、直接対面させないと分からないことも多く、必ずしも性別だけで「この組み合わせはダメ!」と決めつける必要はありません。
まずはトライアル期間を設け、その猫同士の相性を確かめましょう。トライアルがスムーズに進んだ場合も、「先住猫」を優先する姿勢で接した方が、うまくいくと言われています。
これからお伝えする性別による傾向も参考にしてみてください。
1.メス猫×メス猫=比較的相性がよい

メス猫同士は、オス猫同士の組み合わせと比べて縄張り意識が低いため、仲良くなりやすいとされています。子育てを助け合うこともあると言われており、穏やかな関係を築きやすいでしょう。
ただし、年齢差が大きい場合は、注意が必要です。
実際、筆者の実家には、子猫1匹と成猫3匹の4匹がいますが、子猫がしつこく遊びに誘うと成猫がストレスを感じ、ときどき「シャー」と唸る姿を見せます。
とはいえ、気まぐれで毛づくろいをしてくれることもあるため、完全に仲が悪いわけではないようです。子猫のお世話を任せきりにせず、飼い主さんが適切にフォローしてあげましょう。
2.メス猫×オス猫=比較的相性がよい

メスとオスの異性同士は、比較的相性がよいと考えられています。オス猫が、メス猫に温厚な態度で接する傾向が見られ、お互いの存在を受け入れやすいようです。
行動にも性差による違いが見られやすく、両方飼うことで、どちらのよさも楽しめるかもしれません。
重要なのは、子どもを望まないのであれば「去勢・避妊手術」を大前提にすることです。猫は繁殖能力が高く、予想以上のスピードで子猫が増えてしまう可能性があります。
その命に責任を持てるかどうかを、事前に十分検討する必要があるでしょう。
3.オス猫×オス猫=ケンカしやすい

オス猫同士の場合、縄張り意識の高さから、ケンカに発展しやすい場合があります。
たとえ去勢手術を受けて「性ホルモン」の分泌を抑えられたとしても、もともとの性格や相性によっては、緊張状態が続いてしまうこともあるでしょう。
場合によっては争いがエスカレートし、スプレー行動といった別の問題行動につながってしまうこともあります。そのため、居心地のよい寝床や隠れ場所を複数提供し、それぞれのプライベート空間をしっかり確保してあげましょう。
ただし、血縁関係があったり、小さい頃からずっと一緒だったりすると、自然と穏やかに過ごせることも、もちろんあります。
まとめ

猫の「性別の組み合わせ」による相性の傾向を知ることで、注意するべきポイントが見えてきます。例えば、異性同士は仲良くなりやすいですが、去勢・避妊手術を大前提に考えなければなりません。
組み合わせにとらわれすぎず、「その猫同士」の相性に寄り添って対応することが、何より大切です。
お迎え前にはトライアル期間を設け、無理なくお互いの距離を縮められるような環境づくりを意識しましょう。