猫が床に寝転んで『くねくね』しているときの心理3つ 放置しないほうがいい場合も

猫が床に寝転んで『くねくね』しているときの心理3つ 放置しないほうがいい場合も

「くねくね」は猫の必殺技のひとつで、多くの場合、飼い主さんに甚大な好影響をもたらすものです。ただし、なかには病気の可能性のあるちょっと心配なケースもあります。愛猫の健康のためにも、「くねくね」にはどんなパターンがあるのか、改めて確認しておきましょう。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.「甘えたい!かまって欲しい!」

ひっくり返るグレー猫

猫が「くねくね」する理由のひとつに、「甘えたい!かまって欲しい!」という気持ちがあります。

「くねくね」とは、床にゴロンと仰向けになった猫が、急所のお腹を大胆にさらしながら、右に左に妖しく身をくねらせることです。破壊力十分の「ヘソ天」だけでも十分なのに、「くねくね」もサービスされると、きっと多くの飼い主さんは「秒殺」間違いなしでしょう。

これが野生の世界だったら、たちまち敵にやられてしまう場面かもしれません。つまりは、たとえお腹を無防備にさらしても、絶対に襲われることはない、と愛猫は確信しているわけです。

飼い主さんの前で、愛猫が「くねくね」を無邪気に披露してくれるのは、安心と安全が確保され、おうち環境を含めた暮らしぶりに満足している証拠と言えます。もちろん、飼い主さんとの信頼関係もバッチリです。

愛猫が上機嫌に「くねくね」し始めたら、「甘えたい!かまってくれなきゃイヤ!」という熱烈なサインです。愛猫の気の済むまで、撫でるなり、かまってあげるなりして、その情熱的な要求に応えてあげてください。

2.「今こそ遊ぶタイミングでしょ!」

おもちゃに囲まれる茶白猫

実は、「くねくね」には、前項で指摘したような、ただ甘えたい気持ちとは違って、明確な目的に特化したパターンも存在します。

具体的に言うと、例えばくわえたおもちゃを飼い主さんのところまで持ってきて、その場で「くねくね」する行動です。意味はもちろん「遊ぼうよ!」の一択。おもちゃがフリスビーなら、まるで犬のような誘い方です。

愛猫がこういった計画的な行動に出るのは、今までの学習経験の成果によるものかもしれません。

以前何かのタイミングでおもちゃを持ってきたら、察しのいい飼い主さんが気づいてくれて楽しく遊べた!―猫はイヤな思い出と同じように、うれしい/楽しい思い出も決して忘れません。

もし愛猫がおもちゃ持参で「くねくねダンス」を踊り出したら、まさに「今こそ遊ぶタイミングっしょ!」というお誘いです。飼い主さんを遊びの輪に快く迎え入れようとしています。

毎日あれこれと忙しいでしょうが、生活に影響が出ない限り、愛猫といっしょに遊んであげましょう。

3.皮膚病の可能性も、放置はNG!

駆虫剤を滴下される茶トラ猫

ここまで挙げてきた「くねくね」に関しては、かわいらしく、ほのぼのとさせるものばかりでしたが、実は、何らかの皮膚病が原因になっている可能性もあります。

正常な「くねくね」との違いは、執拗なまでに床に身体をこすりつけているかどうかです。考えられる病気としては、ノミアレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、疥癬(かいせん)、寄生虫による感染症などがあります。

たとえば、愛猫がノミアレルギー性皮膚炎にかかると、背中から腰まわりにかけて、粟粒性皮膚炎(赤いブツブツ)による痒みが生じ、症状が悪化すれば、脱毛や細菌感染(二次感染)を引き起こすケースもあります。

室内で飼っている猫でも、ノミはお部屋の中にもいる可能性もあり、また帰宅時の飼い主さんの服などに付着したノミが感染経路になることもあり、リスク面で万全とは言えません。特にノミは初夏から秋にかけて活発化するので、事前に滴下タイプの駆虫剤などの対策が不可欠です。

ひどい痒みのために、愛猫がしきりに床で「くねくね」していたら、皮膚病の疑いがあります。念のために一度、動物病院に相談してみてください。

まとめ

仰向けになった子猫

猫には不思議な行動がいくつかありますが、「くねくね」もそのひとつかもしれません。

本文でも解説した通り、猫の「くねくね」は、甘えたかったり、遊んで欲しかったり、飼い主さんに対する要望がほとんどです。

ただし例外として、過剰な「くねくね」が続くと、ノミアレルギー性皮膚炎などの皮膚病の可能性もあります。

愛猫の異変を感じたら、深刻化する前に迷うことなく動物病院で診察を受けてみてください。

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