猫の老化サイン5つ
猫の老化サイン1、睡眠時間が増える
猫の老化サインでまずあげられるのが睡眠時間が長くなることです。猫はもともと一日の大半は寝て過ごしていますが、老化にともない睡眠時間はさらに伸びることになります。若い時は遊んで!かまって!と、飼い主様にスリスリしていた猫ちゃんも、そのようなことが減りお気に入りの場所で寝ていることが増えてきたら老化のサインの可能性もあります。
猫の老化サイン2、動かなくなる
全く動かなくなるというわけではありません、自分で歩いたり走ったりする回数が減りお気に入りの場所でジッとしていることが増えるということです。
人間でも年を取ると身体が痛んだり、筋肉の衰えでなかなか素早く動けなくなったりしますよね?それと同じで、猫ちゃんも老化が進むにつれて動くことが億劫になり一日中同じ場所で過ごすようになってしまうのです。
老化が進んだ猫ちゃんの中には、水を飲むこともトイレに行くのも面倒だと感じてしまう子もいるようです。そのような猫ちゃんは、腎臓病になってしまうこともありますので、猫ちゃんに少しでも長生きしてもらうためには老化サインが現れたらトイレや飲み水の数を増やすなどして対応してあげましょう。
猫の老化サイン3、視力低下
猫では白内障は少ないのですが、老化が進むと視力が低下することもあるかもしれません。以前はぶつからなかった家具によくぶつかるようになったり、歩き方がおぼつかなかったり、高い所に登らなくなったら視力低下のサインかもしれないと考えてあげるようにしましょう。
猫の老化サイン4、毛ツヤが悪くなる
ヒトも老化が進むと髪の毛のコシがなくなり、ボリュームも減ってツヤもなくなりますよね?それと同じく猫ちゃんも老化すると毛ツヤがなくなってしまいます。
特に老化が進むと、今までは自分で頻繁に行っていたセルフグルーミングも頻繁にはやらなくなってしまい、毛がパサついてしまいます。そのような老化サインが見られた時は、グルーミングができなくなった愛猫のためにブラッシングをしてあげるようにしましょう。
猫の老化サイン5、食欲が落ちる
食欲が落ちるのも老化サインとして上げられる代表的な症状です。今までは喜んで食べていた餌を完食できなくなったり、ご飯だよと呼んでもあまり喜ばないようになった場合は、食欲がなくなっている可能性があります。
また、ドライフードを与えている場合なら、カリカリが硬すぎて食べられなくなっていることも考えられます。そのような老化サインを見せる愛猫には、年齢にあったシニア用の餌を与えたり、食べやすいようにお湯でふやかした餌を与えてあげるようするなど工夫をするようにしましょう。
老化サインが現れたら考えたいバリアフリー
愛猫に老化サインが現れたら、愛猫がお部屋の中で快適に過ごせるようにお部屋をバリアフリーにすることを考えなければなりません。
バリアフリーにするということはお部屋をリフォームしないといけないの?と、心配している方はご安心ください。猫ちゃんはヒトよりも元々身体能力もが高いですし、自分の身体が老化したならば、多くの場合はその身体に合わせた生活を自然に送れるようになります。
そのため、老化サインが現れたからといって大掛かりなリフォームを決意する必要はありません。ただ、老猫となった愛猫が少しでも快適に過ごせるようにこのような工夫をしてみるようにしましょう。
- 段差をできるだけ無くす
- 水飲み場やトイレを増やす
- 行きやすい場所にトイレを移す
- 高いキャットタワーでなく低い物に変える
- ぶつからないように家具の配置を変える
- ブラッシングなどのお手入れを小まめにしてあげる
- 静かに眠れる環境を整える
特に老化が進んだ猫は、若いころよりもゆっくりと穏やかに過ごすことを望みます。そのため、ゆっくりと過ごせる落ち着ける場所を用意してあげる他、あまり移動しなくてもいいようにトイレや飲み水も近くに設置してあげるようにしましょう。
老化現象に伴う症状はその猫によって様々です。老化サインが見られたらその都度、愛猫が過ごしやすいように柔軟に対応をしていくようにしましょうね。
まとめ
どれだけ健康に気を使って毎日お世話をしてあげても、老いには勝てません。そんな老化サインが愛猫に訪れたとき、飼い主として何をしてあげられるのか?どのような時間を過ごさせてあげられるかが重要となってきますので、ぜひ老化サインが見えた時に愛猫にどのような対応をしてあげればいいのか事前に考えておくようにしましょう。
紹介されているサインは、単に老化によるものの場合もありますし何か病気によるものの場合もあります。シニア期にさしかかってきたら、年1~2回の健康診断を受けるとともに、何か変化に気づいた時には老化のせいと決めつけずに、まずは病院を受診してください。治すことはできなくても、薬で痛みをとってあげるなどしてより快適な生活が送れるようになることもあります。
東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。