猫のおやつに似ているけど…絶対に与えてはいけない『魚の加工物』4選

猫のおやつに似ているけど…絶対に与えてはいけない『魚の加工物』4選

猫は魚が好きというイメージがありますが、与え方には注意が必要です。とくに魚を使った加工品は、塩分や脂肪分が多かったり、猫にとって好ましくない添加物が含まれていたりなどで、健康を損なうリスクが否定できません。今回は、猫にあげてしまいがちな魚の加工品のなかでも絶対に与えてはいけないと言われているものを4つ紹介します。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.練り物

練り物の盛り合わせ

かまぼこ、ちくわ、カニカマなどをはじめとする練り物は、猫にとっても魅力的な香りと味がするため、ついおやつ代わりに与えたくなるかもしれません。

しかしこれらの練り物には塩分が多く含まれており、猫に与えると塩分の過剰摂取になりがちです。また保存料や調味料、香料といった添加物も含まれていることが多く、猫の健康を害する恐れがあります。

人間の基準で作られている食品は、猫の体に合わない成分を多く含んでいる可能性があるため、たとえ少量でも日常的に与えるのは避けるべきです。誤って与えてしまった場合は、体調に異変がないかよく観察しましょう。

2.ツナ缶

ツナ缶

ツナ缶は猫が好む匂いと味がするため、ねだられてついおすそ分けしてしまうという飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんね。

しかし市販のツナ缶には塩分や油分が多く含まれているため、猫の体には大きな負担になります。そのためツナ缶を日常的に与えると、栄養バランスに偏りが生じたり、健康に悪影響をおよぼしたりする可能性が否定できません。

「じゃ、ノンオイル、無塩タイプなら大丈夫?」と思う飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、基本的には油や塩が使われていなくてもNGです。

ツナ缶の原料であるマグロは、メバチマグロなどマグロの種類によってほかの魚よりも多くのメチル水銀が含まれている可能性があります。

実際にツナ缶に含まれるメチル水銀はごく少量のため、少し食べる分には問題は起きませんが、多量に摂取すると中枢神経に影響を与える可能性があります。いずれにしても人用のツナ缶は基本的には与えないようにしましょう。

3.するめ

ざるに盛ったするめ

するめは猫に与えてはいけない食品のひとつです。ほかの加工品と同様に塩分が多く、猫の健康を損ねる恐れがあります。

そのほかにも、猫はするめを食べると消化不良を起こし、嘔吐・下痢の原因になります。さらに乾燥しているため、胃の中で水分を吸収して何倍にも膨れて、胃や腸に詰まる可能性があるのです。最悪は腸閉塞を引き起こし命にもかかわります。

また固く噛み切りにくいことから、丸呑みをして喉に詰まらせてしまうリスクも否定できません。

このようなことから、するめは猫に与えてはいけない食品と言われているのです。

4.魚肉ソーセージ

皿に盛った魚肉ソーセージ

魚肉ソーセージも猫が好む魚の香りがするため、おやつとして与えている飼い主さんもいらっしゃるようですが、実は猫にとって危険な食品です。

魚肉ソーセージには、保存性や味を良くするために多くの塩分、香辛料、添加物が使われています。とくに香辛料は猫にとって刺激性のある物質で、与えてはいけないもののひとつとなっています。

さらに魚肉ソーセージには、玉ねぎが含まれていることもあります。玉ねぎは、猫に与えてはいけない食べ物として知られており、誤って口にしてしまうと玉ねぎ中毒の原因になるため大変危険です。

また塩分が多く含まれているため、塩分の過剰摂取にもなりやすく、頻繁に食べさせていると健康を損なう恐れがあります。

まとめ

魚を見つめる猫

魚を使った加工食品の中には、見た目や香りから「猫も喜びそう」と思ってしまうものがたくさんあります。しかし練り物やツナ缶、するめ、魚肉ソーセージといった食品は、いずれも人間のために加工されており、猫の健康を考えて作られているわけではありません。

これらの食品には、塩分や脂質、添加物が含まれており、猫にとって大きな負担となり得ます。また長期的な健康リスクを高めることにもなりかねません。猫に与えるものは、必ず猫専用に作られた安全なものを選ぶようにしましょう。

また大切な家族である猫の健康を守るためには、飼い主であるあなたが正しい知識を身につけることも大切です。

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