すべてが怖かった毎日

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英国リンカンシャーのアルフォードに住むJackくん(12歳)は、自閉症で心臓病も患っています。彼にとって、愛猫「Cat Noir」は心を支えてくれる大事な存在です。
猫を飼う前の暮らしは辛かったといいます。「すべてが怖かった」というJackくん。しかし今では病院やお店、レストランなどにCat Noirを連れて行くことで、楽しい気分で生活することができるようになったのです。
「猫を飼い始めて、すぐにすべてが変わりました。この猫のおかげで、あらゆることが楽になったのです」と話す彼です。
お母さんのEmmaさんは「この猫が息子に外の世界への扉を開いてくれました。セラピー動物として感情サポートをしてくれるCat Noirのような猫が、公共の場でもっと受け入れられるようになってほしいです」と語ります。
感情サポート猫とともに

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Jackくんは、心房から心室への電気信号が途絶えてしまう「完全房室ブロック」のため4歳の誕生日を迎える直前に心臓手術を受けてペースメーカーを装着しました。そして9歳のときには自閉症と診断されたのです。
以来人前に出るのが難しくなり、ひきこもりがちでした。しかしCat Noirを家族に迎えて以来、状況は一変したのです。
「まるで地の底から急に天に舞い上がったような変化でしたね。以前は絶対に行けなかったような場所にも、自分からでかけて行くようになりました」とEmmaさん。
この猫をつれてどこへでも行けるように、Jackは「彼の猫は感情サポートを担う動物です」という医者の署名入りの手紙をいつも携帯しています。もちろん、行き先が猫にとっても安全な場所であることを確認したうえでのことです。
より多くの人々に知ってほしい

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「いくつかの場所では、手紙を見せても猫の入場を断られたことがありました。でも総じて多くの人が協力的です」と話すのは、祖父のKenさんです。
あるとき家族とパブへ食事に出かけたときは、猫の入室を断られました。このときは店の人に「猫ではなくて、犬だったら大丈夫だよ」といわれ、がっかりしたそうです。
「猫は神経発達障害をもつ子供たちにとっては、犬と同じくらい有益な存在です。だから犬と同様に公共の場所でも受け入れるべきなのです。でも感情サポート猫についてはまだよくわからないことが多いし、世間でも知られていません。もっと多くの人々に知ってもらいたいわ」というEmmaさん。
「猫が人々の精神衛生に役立つのはすばらしいことです。息子のように恩恵を受ける人が、世の中にたくさんいるはずです」と付け加えてくれました。
Jackくんの家族は、2025年後半に愛猫をつれてノーフォーク・ブローズで「船旅」をするのを今から楽しみにしているそうです。
「でも猫サイズのライフジャケットはないみたいだから、溺れないように気をつけないとね」と笑うEmmaさんです。