愛猫が亡くなったときにすべきこと
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愛猫が息を引き取ったあとも、飼い主にはもう少しするべきことがあります。しばらくは非常につらい時間を過ごすことになりますが、適切な手順を踏むことが大切です。
以下に、すべきこととやってはいけないことをまとめました。
1.身体をキレイにする
死後硬直が始まる前にできるだけ自然な形で寝ている体勢に整えてあげましょう。目が開いているままだとかわいそうなので、やさしくゆっくりとまぶたを閉じてあげます。「お疲れさまでした」「大好きだよ」の気持ちを込めながら、身体をきれいにしてあげましょう。
湿らせたタオルやガーゼで顔や体全体を軽く拭きます。特に目元や口元、足先など汚れやすい部分を重点的に拭きましょう。亡くなる直前や直後に尿や便が漏れることがありますので、お尻周りに汚れがあればウェットティッシュで拭き取ります。
水分が残らないように水気をしっかりとふき取り、ブラシを使って毛並みを整えたら、タオルや布に包んであげましょう。柔らかいタオルやお気に入りのブランケットに包んであげると、見た目も安らかになります。
2.遺体を安置する
遺体を整えてタオルなどで包んだら、適切なサイズの箱に寝かせてあげます。小さすぎるとお花などが入りませんし、大きすぎると移動時に遺体が動いて不安定です。
安置する箱はそのまま火葬するため、燃えやすい素材でなくてはなりません。ネジなどの金属を使わない木製か紙製の箱が適しています。体液が漏れないよう底にもタオルやペットシーツを敷いておきます。
そして、身体が傷まないようにすぐに身体を冷やしましょう。できればドライアイスを使用することが望ましく、近くの葬儀屋さんや氷屋さんで購入できることがあります。
もし、ドライアイスが手に入らない場合は、市販の保冷剤(冷凍ジェルパック)や凍らせたペットボトルで代用できます。遺体の腐敗は内臓から進行するため、お腹、背中、首元を重点的に冷やしてください。ただし、氷は溶けやすいので、遺体の変化に気を付けて2〜3時間ごとに交換が必要です。
3.埋葬する準備
最後は、火葬をしてお見送りをすることになります。猫の火葬には、「自治体(市区町村)の火葬サービス」や「ペット霊園・火葬場」、移動火葬車による「訪問火葬」などがあります。また、お住まいの自治体や生前に動物病院にかかっていた場合は、相談すると業者を教えてもらえるかもしれません。
火葬を頼むときは時間が限られるため、悪徳業者を避けるためにも、事前に評判をしっかりチェックしてください。また、火葬方法には、個別対応やほかのペットとの合同、返骨の有無など、さまざまな種類がありますので、費用やプランも事前によく確認するようにしましょう。
また、自宅の庭などに土葬する場合には、遺体が土に還るまでには数年以上かかることや土地を手放せば愛猫をお墓ごと置き去りになってしまうこと、そして土地の購入者やほかの野良猫などが掘り返した際に、トラブルになりかねないことなども考慮しましょう。
愛猫との死別後にやってはいけないこと
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愛猫の死後には、行うべきことがある一方で、やってはいけないこともいくつかあります。
遺体の冷却が遅れる
ショックのあまり遺体を冷やすことが遅れると、かわいい愛猫の身体を傷めることになります。特に夏場は数時間で腐敗が進行するため、冷たくてかわいそうに感じても、すぐに冷却を開始することが重要です。同時に部屋を涼しくして火葬までの管理を徹底しましょう。
不適切な埋葬をする
埋葬する際も、自身の所有地以外への埋葬や自然への遺棄はやってはいけません。一般廃棄物として廃棄することや個人での焼却は、法や条例で禁止されている場合が多く、罰則の対象になる可能性もあります。
自分自身のケアを怠る
そして、愛猫を失った自分自身へのケアも決して怠らないでください。ペットロスは自分で考えているよりも傷が深く、感情のコントロールがむずかしくなることがあります。悲しみを押し込めて自分を責めたり、他人のせいにしたりするのは天国の愛猫も喜ばないでしょう。
落ち込みが激しくなり、家事や仕事が手につかないこともあるのは、ごく自然なことです。ゆっくりと休んで、しっかり食べること。そして、どうしてもつらいときには、カウンセラーなど専門家に頼ることを選択してください。
愛猫を失うことは痛ましい経験ですが、冷静に一歩ずつ進めるようにしましょう。
まとめ
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愛猫が亡くなったとき、つらくても、やらなければならないことがあります。まずは、落ちついて対応することがとても大切です。特に遺体の冷却には十分な配慮が必要です。遺体を傷めることなく、最後のお別れをすることで、愛猫を心から見送ることができます。
火葬業者などは生前に調べておくことで、万が一のときにも慌てずに済むかもしれません。また、猫を愛する飼い主であり続けるために、自身の心のケアにも十分気を付けてください。
今回お伝えした内容は、猫が健康なうちは、なかなか調べる機会の少ない情報です。よくわからない方は、飼い猫の死後に不適切な埋葬や対応をしてしまう可能性もあります。もし、身近に猫を飼っている人がいれば、同じ猫好き同士として、ぜひこの情報を共有してあげてください。