猫がやたらと『鼻をヒクヒク』させているのは大丈夫?考えられる4つの理由

猫がやたらと『鼻をヒクヒク』させているのは大丈夫?考えられる4つの理由

鼻息が聞こえるほどに、熱心に「鼻をヒクヒク」させている猫を見ると、飼い主さんは驚かれるのではないでしょうか?この記事では、鼻をヒクヒクさせる姿に秘められた理由を、4つご紹介していきます。なかには、注意が必要なケースも考えられますので、あわせてご注目ください。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫が『鼻をヒクヒク』させている理由4選

食べ物の匂いを確認している猫

1.匂いを感知するため

猫の嗅覚は非常に優れているため、広範囲の匂いを感知することが可能です。獲物や食べ物をはじめ、他の猫や見慣れない人間など、気になるものに注意深く反応します。

さらに驚くべきことに、猫は「子猫時代に母猫もしくは飼い主さんから与えられた食べ物=安全な匂い」と記憶しており、匂いは食べ物を口にするかどうかの判断基準のひとつになっています。匂いを記憶する猫たちの力に感心せずにはいられません。

2.相手を知るため

猫同士の場合は鼻をヒクヒクさせ、相手の匂いそのものを確認するだけではなく、相性や性別まで読み取ろうとします。匂いは、相手を知る重要な情報源であるため、相手の匂いが変わることにも敏感です。

例えば筆者は2匹の愛猫を飼っているのですが、うち1匹を動物病院に連れて行った後に、もう1匹が心配そうに匂いを確認する姿を目撃したことがあります。

徐々に同居猫だと認識したのですが、抜かりのない素行調査ぶりに驚かされませんか?

3.縄張りを再確認するため

猫は「縄張り」に強いこだわりを持っています。室内飼いの猫であれば、寝床や窓際はお気に入りの場所でしょうし、日課のように家中をパトロールし、鼻をヒクヒクさせながら縄張りを確認します。

ときには、猫が自分自身の排泄物も嗅ぐ姿も見られるかもしれません。

人間から見れば不思議な行動ですが、猫としては自分自身の匂いがちゃんと残っているか、別の知らない匂いがないかどうか確認するための大切な儀式です。

4.興奮しているため

おやつを認識したときや、遊びに夢中なときなど、猫が思わず興奮してしまうシチュエーションにおいてもヒクヒクが発動することがあります。人間でも、意気込んだシーンで鼻息が荒くなることがありますが、それと似ています。

甘えん坊な猫の場合は熱心に甘えている最中にも、鼻をヒクヒクさせる姿が見られるかもしれません。一時的なものですので、特に問題がなければ気持ちの落ち着きとともに自然と止まるでしょう。

異常な鼻のヒクヒクには注意

口を開けている猫

鼻のヒクヒクが一時的なものではなく、ずっと続いている場合には、注意が必要です。鼻炎などの病気にかかり、呼吸がしにくくなっていることが考えられます。激しい運動をしたあとではなく安静状態で、息苦しそうに見えるのも異常です。

呼吸困難に陥っている可能性がありますので、鼻のヒクヒクにあわせて、猫が開口呼吸をしていないか、体全体を使って呼吸をしていないか、震えていないかを確認してください。猫は鼻呼吸が基本であり、口を開けて呼吸することはないことも頭に入れておきたいものです。

正常な呼吸数は、1分間で20~30回が目安と言われていますので、呼吸数に異常が見られないかも確認しましょう。少しでも異変を感じた際には、速やかに動物病院に受診することが大切です。

まとめ

挨拶し合う2匹の猫

猫は嗅覚を駆使して生活しています。

あるときは匂いを感知して食べ物の安全性を見極め、あるときは挨拶のなかで相手の情報を掴んでいるのです。家の中のパトロール中も、縄張り確認のためのヒクヒクが、頻繁に見られるでしょう。

興奮した際にも、一時的に鼻息を荒くすることがありますが、ヒクヒクが止まない場合には注意が必要です。鼻炎などの病気や呼吸困難も疑い、速やかな対応を心がけましょう。

愛猫の小さな異変に気づくことができるよう日常的に行われているヒクヒクも、意識して観察してみてはいかがでしょうか?

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