猫が『お腹を壊してしまう』原因4選 様子見でいい場合と即受診の違いも解説

猫が『お腹を壊してしまう』原因4選 様子見でいい場合と即受診の違いも解説

猫がお腹を壊してしまう原因には、ストレスやご飯の切り替えといった原因がすぐにわかるものもあれば、見ているだけではわかりにくいものもあります。今回は猫がお腹を壊す原因と受診の目安について解説します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.ストレス

段ボール箱の上でくつろぐ猫

猫はストレスを感じると、腸の動きが悪くなりお腹を壊してしまうことがあります。

たとえば以下のようなことが原因となります。

  • 引っ越しをした
  • 部屋の模様替えをした
  • 家族構成が変化した
  • トイレが汚れている
  • 来客があった

もしこれらのストレス要因に思い当たることがあり、下痢をしているならストレス性の下痢を疑います。

このなかでもよくあるのが、引っ越しや模様替えなどの環境の変化です。猫にとっては、知らない場所に連れていかれたり、家具の配置が変わったり、新しい家具を置いたりなどの何気ない変化が大きなストレスになります。

また出産や新たなペットを迎えるなど家族構成が変化することも猫にとっては環境の変化です。

ただし引っ越しなどの環境の変化によるストレスは、事前に準備しておくことで軽減が可能な場合もあります。

2.ご飯があっていない

ご飯をもらう猫

猫のお腹を壊す原因としてよくあるのが「ご飯があっていない」ことによるものです。ご飯があわないと、消化不良を起こすなどして下痢をしてしまうのです。

ご飯が原因となる下痢には以下が考えられます。

  • ご飯を新しいものに変更した
  • ご飯の量の不適切
  • ご飯が傷んでいた
  • 食物アレルギーを発症した

新しいご飯に切り替える際に、一気に切り替えてしまうと胃腸が新しいご飯に対応できずにお腹を壊してしまうことがあります。切り替える際は7〜10日ほどかけてゆっくりと徐々に新しいごはんの割合を増やしていきながら切り替えましょう。

また新しいご飯に起因する食物アレルギーで下痢になる可能性もあるので注意が必要です。

3.ウイルスや寄生虫などの感染症

猫と薬

猫が寄生虫に感染するとお腹を壊す原因になり得ます。よく見られる寄生虫では、回虫症、猫条虫症などがあります。

成猫の下痢は軽い症状が多いと言われていますが、免疫力や体力の状態にもよります。抵抗力が弱い子猫はひどい嘔吐・下痢の症状が見られることも多く、放置すると命にも関わります。

症状は感染した寄生虫や年齢によっても異なりますが、お腹を壊すほかにも「食欲不振、血便、体重減少、腹部膨満」といった症状があらわれるのが一般的です。

寄生虫が疑われる場合は、人にうつる可能性もありますので、獣医師に相談し、確実に駆除しましょう。

4.誤飲・誤食

崩れたケーキと猫

猫の誤飲・誤食が原因でお腹を壊してしまう場合も。

猫が下痢を起こす危険な食べ物には、チョコレート、アルコール飲料、玉ねぎなどのねぎ類があげられます。そのほかにも中毒を引き起こす植物や人用の薬、防虫剤、芳香剤などの薬品を摂取し、下痢の症状が見られることもあります。

また下痢のほかにも、嘔吐や痙攣、炎症をおこしたり、腸閉塞を引き起こしたりするリスクもあります。誤飲・誤食は、命に関わる危険なものも多いので、とくに注意が必要です。

様子見と即受診の判断基準は?

聴診器をあてられている猫

猫も人間と同じように、食べたものがあわなかったなどでお腹を壊すことがあります。元気があり、ご飯を食べている、回数もいつも通りであれば、様子を見ても良いでしょう。

ただし以下のようなときは、動物病院を受診しましょう。

  • 食欲がない
  • ぐったりしている
  • 下痢が続いている
  • 真っ黒なうんちが出ている
  • 何度も下痢をしている

子猫や高齢の猫、基礎疾患がある猫は、早急に受診が必要な場合もあります。迷うときは、獣医師に相談して指示を仰ぎましょう。

まとめ

トイレの横で寝転ぶ猫

猫もさまざまな原因でお腹を壊すことがあります。切り替えたご飯たあわなかったなどの一過性の下痢であれば心配はいりませんが、寄生虫感染や誤飲・誤食などの可能性もあるため油断は禁物です。

とくに子猫や高齢猫の場合、ひどい下痢の場合、命の危険につながる危険性もあります。改善が見られないときは様子を見ずに動物病院を受診しましょう。

またストレスやご飯の切り替えなど思い当たることがある場合は、原因を排除するなどして対策をおこなうことが大切です。

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