猫の『スタッドテイル』とは?しっぽがベタベタしたら疑うべき病気の症状や原因、治療法など

猫の『スタッドテイル』とは?しっぽがベタベタしたら疑うべき病気の症状や原因、治療法など

「スタッドテイル」という病気をご存知でしょうか。猫のしっぽに違和感を覚えたら、この疾患かもしれません。どのような症状があったら、スタッドテイルが疑われるのでしょうか。スタッドテイルの原因や治療法と、合わせて解説していきます。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

猫のスタッドテイルとは?

振り返る猫

「スタッドテイル」とは、「鋲」という意味の「スタッド(stud)」と「しっぽ」という意味の「テイル(tail)」が組み合わされていることからわかる通り、猫のしっぽの毛がもつれて固まり、トゲのようになってしまう状態です。

スタッドテイルは、「尾腺炎」「尾腺過形成」ともいい、しっぽに症状が現れる皮膚のトラブルです。

ブラッシングの際にしっぽのくし通りが悪かったり、他の部位と比べてしっぽがベタついていると感じ、気がつくことがあります。

スタッドテイルの症状

しっぽを舐める猫

スタッドテイルの症状には、以下のようなものが挙げられます。

  • しっぽのベタつき
  • しっぽの毛がもつれて固まる
  • しっぽから悪臭がする

スタッドテイルになると、しっぽや、しっぽに近い背中の部分がベタつきます。そのため、毛がもつれて固まってしまうのです。

皮脂の塊やフケが見られたり、毛穴が黒ずんで見えることもあります。もうひとつのスタッドテイルの特徴が悪臭です。古い油のような独特な臭いがあります。

細菌感染によって、炎症を起こしてしまうこともあります。痛みやかゆみがあるために、頻繁にしっぽを舐めたり噛んだりするようになるでしょう。

傷になって出血してしまうこともあるため、注意が必要です。

スタッドテイルの原因

座ってこちらを見る猫

猫のしっぽの皮膚には、他の部位よりも多くの分泌腺があります。そこから皮脂が過剰に分泌されることで、スタッドテイルを引き起こしてしまうのです。さらに細菌感染すると、症状を悪化させてしまいます。

スタッドテイルは、雄の成猫、特に去勢手術を行っていない猫に多く見られます。また、遺伝的要素も強く、ペルシャやシャムがスタッドテイルになりやすいようです。

スタッドテイルが疑われたら?

スタッドテイルのしっぽ

猫のしっぽに症状が見られて、スタッドテイルかも?と疑われるときは、動物病院で診てもらいましょう。

治療法としては、しっぽの毛を刈り、シャンプーで患部を清潔にします。症状によっては、薬を塗布したり、内服することもあります。

スタッドテイルは、命に関わるような病気ではありませんが、再発することも多いため注意が必要です。

まとめ

猫のブラッシングをする人の手

スタッドテイルは、猫のしっぽのトラブルです。命に関わる重大な病気ではありませんが、猫にとっては不快感があり、ストレスになります。

グルーミングが充分でなかったり、不衛生な環境がスタッドテイルの発症リスクを高める可能性があるため、日頃からブラッシングなどのケアで清潔に保つとともに、皮膚に異常がないかチェックしましょう。

スタッドテイルが疑われるときは、動物病院に相談し、悪化する前に対処してあげて下さいね。

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