1.スリ寄らない!
猫が足元に顔をこすり付けてくるのは、「ニオイ付け」や「親しみ」のサインです。このスリスリは、猫にとってメリットがある人や大好きな人に限ります。
猫が「この人はちょっとニガテ」と感じる人には、どんなに近くにいてもスリスリすることはありません。
ニオイつけは、猫の社会的なコミュニケーションのひとつです。人へのスリ寄り行動も、顔にある臭腺からニオイとこすりつけて「この人は自分のもの」と所有権を表現しているのです。
そのため、猫がニガテだなと思っている人に対しては、一見友好そうな仕草を見せつつも、意図的に距離を置き、スリスリするような親密な行動を避けようとします。
悲しいことに、飼い主であっても、猫が「この人ニガテ」と感じている相手は、自分のものでなくてもいいのかもしれません。
2.ゴロゴロ喉を鳴らさない!
人に慣れている猫は、気軽に触らせてくれることがあります。背中をなでたり、耳の後ろやあごの下をコチョコチョしたりするのも簡単です。
ところが、猫の好みではない人が撫でている間は、絶対にゴロゴロ喉を鳴らしたりしません。形だけおとなしくしているだけなのです。
猫がこれまでに嫌な経験をした人に対しては、ゴロゴロ喉を鳴らすことはありません。
また、猫をお迎えしたばかりで「仲良くなるのは、これから」という飼い主さんにも、まだゴロゴロといわない可能性もあります。あまり面識のない人に対して、猫が警戒心を抱くのはごく普通のことなので心配ありません。
猫が喉を鳴らすときは、安心感や満足感、または要求があるときなどです。ニガテだなと感じる人には、猫はギリギリのところで心を開かないのです。
3.一緒に遊ばない!
狩猟本能を強く残す猫は、長い棒をフリフリされるだけでも、ついじゃれて遊んでしまいます。しかし、おもちゃを振っている人のことをイマイチ好きでない場合には、そのおもちゃに対しても警戒して遊ぼうと思わなくなるのです。
猫のおもちゃで遊ぶ行動は、年齢によって変化します。若い猫ほど好奇心が勝り、ターゲットとなるモノがあれば、何でも遊んでしまいます。
ところが、成熟した猫になると、おもちゃで遊ぶことは人間とのコミュニケーションの一環だと理解してきます。そのため、あまり仲良くない人やあきらかにニガテな人が誘ってくるおもちゃには付き合おうと思わないのです。
ただ、注意したいのは、高齢猫になるとおもちゃで遊ぶこと自体に興味がなくなっていることもあります。その場合には、遊ばないから猫に嫌われているというわけではないので、心配しなくても大丈夫です。
まとめ
猫との関係に疑問を感じたときには、まずは状況をよく観察することが大切です。猫は気分や環境の影響を受けやすい傾向にあります。特に警戒心の強い性格の猫は、変化があったときに人と距離を置こうとすることがあります。
これまでにとても仲良くしていた猫が突然距離を置き、ゴロゴロ喉を鳴らさなくなった場合には、ストレスになるような原因があったのかもしれません。まずは体調不良や環境の変化などを見直して、気になることは動物病院で相談するようにしましょう。
今回紹介した3つの行動が「うちの猫あるある」だった人は、気持ちを切り替えて、猫との関係を見直してみましょう。猫の行動の裏にある心理を理解できれば、猫はいまよりも心を開いてくれるはずですよ。