1.ジャマしがち
猫が「気まぐれ」で「ワガママ」だと一般的に評されるのは、何よりも自分の気持ちに率直で、その通りに行動するからです。常に気分良く過ごしたいと考える一方、もし不快なことをされたら、別の場所へさっさと立ち去ります。それが、猫の「マイルール」です。
マイペースな猫が最も嫌うのが、自分のリズムを崩されることです。特に、迷惑なのは、ごはん時の飼い主さんによるちょっかい。
ごはんタイムは、猫にとって最も無防備になる瞬間であり、一日の中でいちばん楽しみなひとときです。誰にも邪魔されず、リラックスした状態でごはんを心ゆくまで堪能したい、と願っています。
せっかくの食事時に、飼い主さんからむやみに撫でられたり、かわいさ余って、ちょっとしたイタズラを仕掛けられたりすると、猫はまったく落ち着きません。いわゆるウザ絡みというもので、「空気読めよ!」と愛猫から逆ギレされるだけです。
ごはんタイム中に、愛猫のそばでバタバタ動き回るのも厳禁です。デリケートな子であれば、せわしない状況を嫌い、「途中退席」したきり、戻ってこない場合もあります。意識、無意識的にかかわらず、愛猫の食事を邪魔するような行為は慎みましょう。
ごはんだけでなく、トイレ、睡眠中のタッチ、日頃の過剰なかまい過ぎもNGです。同じ過ちを繰り返してしまうと、良好な信頼関係構築はただの夢に終わります。
2.騒々しい音を立てがち
ネズミや鳥、昆虫などの獲物を捕らえるために、猫の聴覚はとても発達しています。際立つのは、高音域の聞き取りです。一方、多くの人間にとっては何でもないように思える音に対しても、鋭く反応し、怖がる傾向があります。
試しに、猫が嫌いがちな音を挙げてみると、掃除機やドライヤー、モノが落ちる音、鍵などのカチャカチャした音、パトカーのサイレン、雷、花火など、いろいろあります。
人間の声で言えば、男性の野太い声は、野獣の唸り声のように聞こえるため、猫にとっては恐怖の対象です。キンキンした声や子供のはしゃぐ声も、できれば遠ざけたい対象でしょう。
気をつけたいのは、無意識のうちに立てる大きな音で、その代表的なものがくしゃみです。くしゃみは、生理現象のひとつで、場所を選ばず、不意に発生します。無理して我慢する必要もありません。
ただ、猫にとってのくしゃみは、風船の破裂音に匹敵する不快音です。聞いたとたん、驚いて飛んで逃げてしまいます。
とりわけ注意したいのは、中高年男性に多いと言われる「爆音」のようなくしゃみです。耳の良い猫からすれば、ほとんど「災難」と言ってもいいかもしれません。
もしおうちに猫がいるなら、嫌われないためにも、事前のくしゃみエチケットだけは欠かさないようにしたいものです。
3.要求のサインを見落としがち
猫はさまざまなサインによって、自分の要求を飼い主さんに伝えます。しっぽをピーンと立て、かわいい声で鳴きながら、頭をスリスリしてきます。感情表現がストレートな猫ならわかりやすいですが、一方で、とても奥ゆかしい手段でメッセージを発信する子もいます。
たとえば、多頭飼いの場合を考えてみましょう。飼い主さんは平等にお世話しているつもりでも、当事者(猫たち)からすると、何となく違いや差を敏感に感じていることもあります。
「アイツはかわいがられているのに、なんで自分だけ…チェッ!」と不満顔かもしれません。
他の同居猫のように、素直におねだりしたいところですが、内気な性格ゆえにそれもできません。唯一残された方法は、飼い主さんの見える範囲にたたずみ、わりにジトッとした視線でしばしば見つめてくることだけです。
本音は、「もう少しだけごはんが欲しい…」。そこで飼い主さんが気づかないでいると、愛猫は悲しい気持ちを抱えたままになります。
猫の要求サインは、繊細な猫であればあるほど、つい見落としがちです。スルーし続ければ、愛猫の心を傷つけてしまうこともあります。
日頃の観察を通じて、ちょっとしたサインを見逃さず、ニーズにふさわしい「回答」を出せれば、愛猫からより深く信頼されるはずです。
まとめ
個体差はありますが、猫はとてもデリケートな動物です。今回は、飼い主さんのNG行動として、3つ紹介しました。
改めて考えてみると、自分の好きな時間を邪魔されたくないのは、猫も人間も同じです。嫌がる「ツボ」をあらかじめ理解しておけば、愛猫から嫌われる心配もありません。
挙げた3つの行動に心当たりのある人は、早急に改善するように努めましょう。