猫に『かつお節』をあげたい!安全に与えるために守るべき2つのこと

猫に『かつお節』をあげたい!安全に与えるために守るべき2つのこと

かつお節は猫にとって大好きなおやつのひとつですが、与え方を誤ると健康を害する可能性があります。では猫にかつお節を与えるときは、どのような点に気をつけるべきなのでしょうか?

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.与えすぎない

かつお節を食べる猫

猫にかつお節を与える際の非常に重要なポイントのひとつは、「与えすぎない」ということです。

かつお節は猫の嗜好性が高く、多くの猫が喜んで食べる食品です。

しかしその風味豊かな味わいに反してかつお節を過剰に与えると、猫の健康に以下のようなさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。

ミネラルの過剰摂取による尿路疾患と腎臓への負担

かつお節はミネラルが豊富に含まれていて、とくに人間用のかつお節はミネラル量が目立ちます。

猫は人間に比べてミネラルの摂取に対して非常に敏感であり、人間と同様にかつお節を与え続けると、腎臓に大きな負担をかけたり尿路疾患の原因となる可能性があるのです。

尿路疾患の代表的なものといえば、尿路結石という病気。猫のおしっこの通り道に、結石という物質が詰まり激痛を引き起こします。

治療が遅れると急性腎不全となり、ほんの数日で死に至る怖い病気です。

また腎臓の負担が増えると、慢性腎臓病のリスクが高まります。腎臓病は現在の獣医療では完治が難しく、薬で進行を遅くさせたり症状を和らげたりすることしかできません。

塩分添加などの特別な加工がされていないかつお節であれば、ミネラルやタンパク質の含有量は一般的なフードと比べて少ないので、少量であれば問題ないとも言えます。しかし、大量に摂取することで起きる弊害を予防するためにも、かつお節を与える際にはその量に注意しましょう。

栄養バランスの崩れ

かつお節はタンパク質が豊富ですが、猫に必要な栄養素は十分に含まれていません。

そのためかつお節を主食として与えてしまうと、栄養バランスが崩れる可能性があります。

あくまでもかつお節は「嗜好品」であり、猫の主要のごはんにはなりません。

2.食物アレルギーに注意

掻いている猫

猫にかつお節を与える際には、アレルギーの可能性に注意しましょう。

かつお節は猫の嗜好性が高い食品ですが、稀にアレルギー反応を示す猫もいます。

アレルギーを持つ猫にかつお節を与えると、皮膚のかゆみや発疹、嘔吐や下痢などの症状があらわれ、重症なものだとアナフィラキシーショックを引き起こしかねません。

そのため初めてかつお節を与える場合には、少量から始め、猫の様子を注意深く観察しましょう!

猫に適したかつお節の量とは?

黒いお皿の上のかつお節

猫に適したかつお節の量は、明確には定められておりません。

ただし与えすぎはNGなので、ひとつまみ程度をご飯に振りかけたり、おやつとして与える程度にとどめておきましょう。

好き嫌いをする猫や、食事療法で嗜好性が低い療法食を食べないといけない場合などでは、かつお節をだしパックに入れ、それをフードの保存容器に入れて香り付けするなどの方法もあります。

猫に「かつお節」は必須ではない

鰹節と鰹節削り器

かつお節は猫が好む食品で有毒性もないですが、必ずしも猫にとって「必要な食材」ではありません。

猫がかつお節を好んで食べる様子を見ると、日常的に与えたくなるかもしれません。しかし基本的に猫の栄養は、キャットフード(総合栄養食)を正しく与えることで補えます。

かつお節はあくまで嗜好品として、たまに少量を与えるのがベストといえるでしょう。

猫にとって最も大切なのはバランスの取れた食事を食べることであり、かつお節に依存しない健康的な生活を送らせることが重要です。

また、与える際には、人用ではなく、猫用のかつお節を選びましょう。

まとめ

かつお節に容器に顔をつこっむ猫

かつお節は猫の嗜好性が高く、また栄養価も豊富であるため、適切に与えるのは猫にもメリットがあります。しかし、その与え方には十分な注意が必要です。

今回解説したように、かつお節を与える際は量とアレルギーに配慮し、猫の個体差や健康状態を評価することが重要です。

かつお節だけに頼らず、猫の健康維持には「バランスの取れた食事と適度な運動を心がけることが不可欠」と忘れないようにしてください。

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