猫の利き手に関する豆知識3つ
日本人の9割近くが右利きだといわれていますが、はたして猫たちはどうでしょうか。
猫の利き手については、科学的研究によって性別や年齢によっても違いがあることがわかっています。
1.オスは左利き、メスは右利きが多い
2009年イギリスの研究では、オスは左利き、メスは右利きが多い傾向にあることが確認されています。
この研究では、猫が階段を降りるときやトイレに入るときの一歩目、またはおやつを取るときに左右どちらの前肢を使うかが調査されました。
その結果、7割以上の猫に明確な利き手があり、オスは左利き、メスは右利きが多いことがわかりました。
猫の利き手には性別が影響していると考えられています。
ただし、オスが左利きだからといって、すべてのメス猫が右利きというわけではありません。猫にも個体差もあるため、性差による利き手はあくまで傾向として見られています。
2.利き手は性格によっても異なる
猫の利き手と性格にも何かしら関係があるのではないかとも考えられていますがまだ明確にはわかっていません。
オスメスの利き手を調査した研究者は、過去に「犬の利き手」についても研究していました。結果は、左利きや両利きの犬は、右利きの犬よりも怖がりであるというものでした。
この結果は、推測ではありますが猫にも当てはまる可能性があるのではないかと考えられており、、右利きの猫は一般的に左利きや両利きの猫よりも、比較的積極的でフレンドリーな性格を持つことが多いのではないかと考えられています。
一方、両利きの猫は神経質で消極的な傾向がみられる可能性があり、猫でも利き手によって性格に違いが生じるのではないかと考えられています。
ただはっきりした研究結果がでているわけではありませんのであくまで可能性の話であることは忘れないでください。
3.猫の利き手は年齢とともに固定化される
猫の利き手は、生後1年ほどで決まる傾向があるようです。子猫のときは、どちらの手を使うか一定しないことが多いですが、生後1歳になるくらいまでに、だんだんと利き手が決まっていくようです。
この過程は、脳と運動機能の発達に関係しています。生まれたばかりの子猫は、まず歩く・走る・ジャンプするなど基礎的な運動機能を獲得して、次に手(前肢)をうまく使うなど複雑な動作ができるようになります。この発達とともに利き手も決まっていくのかもしれませんね。
利き手が固定化されることで、さらに効率的な動作ができるようになります。ただし、どちらが利き手になるのか、また何が利き手の決定に関係しているのかまだ明らかになっていません。
あなたの愛猫はどっち?猫の利き手を見分ける方法
ここまで読んで「うちの猫はどうかな?」と調べてみたくなった人もいるでしょう。猫の利き手は、簡単な方法で見分けられます。
その方法は「猫が特定の動作をしたときにどちらの前肢を使うか頻度を記録する」ことです。
たとえば、猫じゃらしやおやつをパッと出したときにどちらの手で取ろうとするか試してみる、あるいは、ペットボトルのキャップなど小さな物を置いてどちらの手で動かそうとするかを見ます。
利き手は無意識に使うので、何度か行ってみると、愛猫の利き手の傾向が見えてくるでしょう。
注意点としては、テストする回数が少なかったり、1度に連続で試しただけでは正しく計測できないことです。時間を置いて長期的な観察をした方が、信頼性の高い結果になるでしょう。
まとめ
愛猫の利き手がわかると、猫の行動や個性をいままでよりもさらに深く理解することができます。日常のちょっとした動作にも、その子のクセが反映されることに気づくことで、遊びや食事のときにも猫が取りやすい方に出してあげることもできます。
猫の利き手については、オスとメスの違い、性格との関連性、年齢による影響などまだまだわからないことが多いのでこれからの研究に期待ですね。
今回の研究でも、実験した猫のうち3割近くの猫には特定の利き手が示されませんでした。猫の利き手に関しては、まだまだわかっていないことがありますので、身近な愛猫で研究してみるのも楽しいかもしれないですね。