猫が『あくび』をする2つの理由 眠いサインではない場合も?

猫が『あくび』をする2つの理由 眠いサインではない場合も?

くわーっと大きく口を開ける「あくび」。私たち人間が眠い時などに行う生理現象のひとつですが、実は猫も同じようにあくびを行いますが、眠いからだけではなさそうです。そこで今回は、猫が「あくび」をする理由について詳しく解説します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.生理現象

あくびしている猫

猫があくびを行う理由として、まず挙げられるのが生理現象としてのあくびです。私たち人間も眠くなると、くわーっと口を開けてあくびすることがありますよね。

これは、あくびをすることで深呼吸を行い、脳への血液量を増加させ、血液を多く流すことで脳を刺激し、意識の覚醒を促そうとしているのです。

これと同じ生理現象が、猫にも起こるとされています。分かりやすく言い換えると、眠いから眠気を飛ばそうと体があくびをしているのです。猫が寝起きにあくびを行っているケースでは、この生理現象が理由でしょう。

2.気分転換

あくびしている猫

あくびには、もうひとつ行う理由があります。それは「気分転換」のためという説があります。

たとえば、猫は何かを行おうとして失敗したときや大きな物音にビックリしたときなど、気持ちが動揺しているとき全く関係のない行動をとることで気持ちを落ち着かせることがあるようです。

これは「転位行動」と呼ばれる行動なのですが、人間の場合だと、何か失敗したときに頭をかいたり、イライラしているときに貧乏ゆすりをする行為が転移行動に該当します。

猫の場合は、あくびもこの転位行動のひとつなのです。たとえば、獲物を狩ろうとして失敗したときや飼い主さんに怒られたとき大きくあくびをしていたなら、それは転位行動である可能性が高いです。

つまり、猫は直前にしたことや起きたことに全く関係のない仕草をとることで、焦った気持ちを落ち着かせようとしているのです。そのため、叱っているときに愛猫があくびをしたとしても、それは決して呑気な気分でしているわけではないので勘違いしないであげましょう。

猫のあくびが病気のサインとなることも

あくびしている猫

基本的に、猫のあくびは体が行う自然現象です。あくびをするからといって何か病気に繋がるわけではありません。

しかしその一方で、猫のあくびをよく観察することで病気のサインに気付ける可能性もあります。

たとえば、あくびと一緒に下記のような症状がある場合、それは病気の兆候かもしれません。

  • 猫の口の中が臭い
  • 猫のよだれが増えている
  • 猫があくびする回数が極端に多い

猫のあくびがきっかけで発見できそうな病気としては、口内炎や歯周病などが挙げられます。

ただのあくびだと過信せず、違和感を感じたら早めに動物病院に相談されることをおすすめします。

まとめ

あくびしている猫

今回は、猫が「あくび」をする理由について解説しました。

猫のあくびは生理現象、そして気分転換のために行われるものですが、場合によっては病気を発見するキッカケになることもあります。

そのため、猫があくびをしたら、その理由をしっかり観察しながら適切に判断するとともに、何か違和感がないか、よくチェックしてあげましょう。

今回の記事を参考に、猫があくびをしているのを目にしたら、今まで以上にじっくり観察してみてはいかがでしょうか。

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