1.相手をじっと見ない
人間の世界で言うと、たとえば、至近距離で見つめ合っている二人がいたら、ほとんどの確率で深い仲でしょう。いわゆる恋に夢中という状況で、いくら騒々しい街中にいたとしても、お互いのことしか目に入りません。
一方、猫同士が見つめ合うとどうなるのか。法螺貝を合図に合戦が始まります。猫耳兜などのかわいらしい武具を身にまとった両陣営が攻め込み、激しく火花。
特に凄絶を極めるのは、本陣(縄張り)内への侵入です。「路地裏の戦い」「車庫内の変」「公園出入り口の乱」など、各所で猫史に残る争いが繰り広げられます。
ただし、猫たちは賢いので、惨劇を避けるための防衛術も心得ています。たとえ睨まれても、あえて目を合わさず、その場からにわかに退却。内心は混乱状態ですが、ゆったりと歩き去る姿はあくまで勝ち戦のようです。
2.行動する時間帯をずらす
猫は想定外のハプニングがとても苦手です。余計なトラブルに遭わないように、毎日、決まりきったプログラムにのっとって、行動しています。
マーキングしながらの縄張り内パトロールもそのひとつです。顔スリスリ、爪研ぎ、おしっこなどの手段を使って、自分の行動範囲のあちこちに我が痕跡を残します。
この痕跡をもとに、同じエリアを共有する猫たちは、誰がどんな時間に出没したのか、ちゃんと把握しています。そして、鉢合わせしないように、お互いに行動時間帯をずらすわけです。
対面しなければ、喧嘩に発展することはありません。平和維持のためには、お互いのことを深く知るよりも、あえて向き合わず、距離を置くことも大切なのでしょう。猫なりのサバイバル・メソッドです。
3.無駄な争いは避けるが勝ち!
先述した2つの要素を合わせて考えると、猫の「思想」が浮かび上がってきます。できることなら戦いたくない、という平和路線です。猫の世界でも、「喧嘩の売買」は、あまりにもリスクの高い取り引きなのでしょう。
共有エリアでの遭遇を避けるのはもちろん、たとえ出会ったとしても、お互いに刺激しないように、目を合わさず通り過ぎます。もし喧嘩になれば痛い思いをするだけ。苦痛や不快感を嫌う猫にとっては、極力、回避したい状況です。
それでも、ときに直接対決が避けられません。どうしても譲れない一線を巡って、睨み合いから唸り合い、最悪の場合、殴り合いへと発展することがあります。
ただ、平和を希求するだけあって、負けを認め、立ち去った相手に対して深追いすることはありません。そういったところにも、本当は戦いたくない猫の「本心」が見え隠れします。
まとめ
猫は、気持ちの良いこと、嬉しいことが大好きです。逆に、イヤなこと、苦しいことは大嫌い。今回は、トラブルを回避すべく、猫たちがひそかに守る「ルール」を3つ紹介しました。
「見ない」「ずらす」「避ける」の平和3原則です。この点からも、猫たちがお互いの適度な距離感を大切にしていることがよくわかります。
みなさんも人間関係に困ったとき、猫の知恵を借りてみると、案外うまくいくかもしれません。