1.長期のおでかけ
旅行好きな人や仕事で出張の多い人は、猫を飼う前によく考える必要があります。長期にわたるおでかけは、ときに猫に問題を起こすことがあるためです。
猫に留守番をさせるときの食事やトイレ掃除については、全自動でできるものもあります。特に最近の製品には、小型カメラが内蔵されているものもあるので、旅先でも愛猫の様子を確認することも可能です。
しかし、「飼い主がいない状態」は、どんな最新機器でも代用できないため、寂しさから猫がストレスを感じることも考えられます。また、その結果、食欲不振やトイレ以外の場所で排泄するなどの問題が出ることも。
飼い主が何日も帰って来ないという状況を避けるためにも、猫との生活を始める際は、旅行や出張は短期間にとどめ、誰かにシッターをお願いできる環境を整えてからにしましょう。
2.花や観葉植物を自由に選ぶこと
これまで自由に好きな植物を飾っていた人は、猫を迎える際にはあきらめる必要があるかもしれません。
それは猫が、植物の誤飲誤食をしてしまうことがあるためです。ヒラヒラ動く葉っぱや花が猫の好奇心を刺激して、遊んでいるうちに猫が口にしてしまうのです。
猫に有毒な植物はけっして特別なものではなく、ユリ、チューリップ、シクラメンなどごく一般的に売られているものです。
また、育成が簡単なことから人気のあるポトスやアイビーなどの観葉植物も猫にとって有毒です。猫がこれらの植物を誤飲した場合、嘔吐や下痢、けいれんなどが起き、重症の場合には命に関わることもあります。
とはいえ、観葉植物を隠しているようでは意味がありませんから、やはり猫をお迎えするときには、植物選びの自由度はあきらめる必要がありそうです。
3.黒い服を楽しむこと
換毛期になると猫の毛が大量に抜けますが、それ以外の期間も古い毛は一年中抜けています。猫をお迎えする以上は、すくなくとも黒い服をキレイな状態で楽しむことは難しくなるでしょう。猫の毛は、特に黒など濃い色の服に付くととても目立つためです。
猫の毛は、細くて静電気を帯びやすく、布などの繊維に絡みつきやすい特徴があります。部屋中に取り切れていない猫の毛があれば、黒い服を着れば猫の毛だらけになってしまうのです。
黒猫なら黒い服でも大丈夫だと思いますか?実は黒い猫の毛も、抜けてみると毛の色は濃いグレーなので、やはり服に付くと目立つのです。濃い色のカーペットや靴下などにいたっては完全に取り除くのは、かなりむずかしいでしょう。
もちろん、黒い服を完全に諦める必要はありませんが、猫の定期的なブラッシングと玄関先や出先に持ち運べる粘着シートは必須です。
4.猫砂が転がっていない部屋
常に部屋のどこかにトイレの猫砂が転がっている生活は、もはや猫と暮らす上で避けられない現実かもしれません。トイレの砂なんて衛生面でも心配になりますが、猫を飼い始めたら、もうあきらめたほうがいいことのひとつです。
猫がトイレの砂をかいた際に砂が肉球に挟まってしまうと、猫と一緒にトイレから離れた場所にまでいってしまうのです。
猫は家の中を歩き回ったり、高いところに登ったりするので、砂は飼い主が思いもよらない場所に落ちることになります。ソファの隙間や布団の中にまで、トイレの砂を発見することもあるかもしれません。
清潔好きな人には残念なことですが、その砂が汚れていないという保証はありません。そのため、完璧に清潔な無菌状態は、猫との暮らしではあきらめざるを得ないのです。
その代わり、砂粒のサイズやトイレ前に砂落としマットを敷くなど、環境整備をすれば被害は最小限に抑えることができます。ほんの小さな工夫で、大きく解決するので対策はあきらめなくても大丈夫です。
5.自分より先に死んでしまうこと
猫を飼う以上、逃れられない現実があります。それは、愛猫が自分より先に死んでしまうことです。
猫の平均寿命は約15年といわれ、20歳以上長生きする猫もいます。しかし、どんなにかわいがっている猫でも終生飼養をまっとうする以上、飼い主は愛猫との別れを経験することになるのです。
猫は本能的に不調を隠そうとする傾向があるため、日頃から観察していないと異変の発見が難しいことがあります。愛猫が元気な間、飼い主さんは毎日の外出や旅行などを楽しむかもしれませんが、その間も猫はどんどん年を重ねていくのです。
猫をお迎えすることが決まったら、猫が若くて元気なうちから、健康管理や予防医療に十分注意を払うようにしましょう。
いつか来る猫との別れは避けられませんが、その瞬間が来るまでの時間を最大限に活用し、互いに幸せな日々を過ごすことは、猫を飼う上でなによりも大切なことなのです。
まとめ
猫との暮らしは、予想もしない出来事が起こります。多くの場合は、楽しいことやうれしいことですが、ときには外出や清潔さの維持など、生活のさまざまな面で調整が必要になります。また、猫の健康を守るためにも、安全面への配慮も必要です。
しかし、猫の姿を目の前にすれば、これらの我慢は大した負担にはならないでしょう。むしろ、これまでの生活スタイルから柔軟に対応することで、猫にも飼い主にも快適な環境が整うはずです。
お迎え前は不安になることもありますが、しっかりと準備と覚悟さえあれば、猫との新しい暮らしはきっと大丈夫ですよ。