猫の『てんかん』主な症状7選 原因や対処法も解説 治すことはできる?

猫の『てんかん』主な症状7選 原因や対処法も解説 治すことはできる?

猫もてんかんを発症することがあり、てんかんの発作が起こると全身のけいれんや、足をバタバタさせるなどの症状が現れます。猫のてんかんの主な症状や原因、対処法について解説します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の「てんかん」とは

診察台の猫

てんかんは、猫の脳が異常な活動を起こしてしまう病気です。

この疾患は、何らかの前兆が起きた後にけいれんなどの症状があらわれることが多いです。けいれんが続くと、危険な状態になる場合があります。

なお、犬と比べて、猫にとっては稀な病気と言われています。

猫の「てんかん」の主な症状

よこたわる猫

では、猫に「てんかん」が起きてしまった場合、どのような症状がみられるのでしょうか。

  • 意識がもうろうとする、意識がない
  • 全身のけいれん
  • 手足が硬直する
  • 手足をバタバタと動かしながら倒れる
  • 歯をカチカチさせる
  • よだれが出る、あわを吹く
  • うんちやおしっこがもれる

全身に現れる発作は、1~3分ほど続きます。発作が1回だけでその後起きない場合や、何回も発作が起きる場合があり、個体差があります。

発作が5分以上続いたり、発作で意識が戻らないうちに繰り返し発作が起きたりする「てんかん重積」という状態になると、命の危険があるため、すぐに治療が必要です。

体の一部に現れる発作もあり、「よだれが出る」「まぶたや顔のけいれん」「頭・首・手足が異常な姿勢になる」「よく鳴く」「うなり声を出す」というような症状がみられます。また、これらの症状が起きている時間や程度はさまざまで、てんかんだと気づきにくい場合があります。

発作が起きているときは、刺激を与えると症状が悪化することがあるので静かに見守ります。ぶつかってケガをしそうなものがあれば静かにどかしましょう。

猫の「てんかん」の原因と対処法

動き回る猫

動物は、脳からの電気信号が神経に送られることで情報が伝達されます。

しかし、脳からの電気信号が急激に発生すると、脳の機能が乱れ、情報の伝達ができなくなり、その結果「てんかん」の発作が起こります。

猫のてんかんは『脳の病気が引き起こしている場合が多い』とされていて、脳腫瘍や外傷などがてんかんの原因となっているケースもあります。しかし、ほとんどが原因不明とされています。

では、猫の「てんかん」に対処するためには、どのような方法があるのでしょうか。

前兆やきっかけ、サイクルに気をつける

猫の「てんかん」の発作が起こる前に、以下のような前兆が見られる場合があります。

  • 落ち着きがない
  • 走り回る
  • ぼーっとしている
  • やたら食べる
  • 何もないのに虫を追いかけるような素振りを見せる

強い光、大きな音、不安、緊張はてんかんの発作を引き起こす脳の機能の乱れのきっかけとなることがあります。

そのため、あまり興奮させないようにしたり、ストレスが少ない生活をさせてあげることが発作の予防に繋がります。

てんかんの発作が起きるきっかけや前兆はおおよそ決まっているので、メモをとって把握しておきましょう。

てんかんの発作が起きたら

猫のてんかん発作を見て驚いたりショックを受けたりするかもしれませんが、あまり干渉しないことが大切です。近づいてケガをしたりしないように注意しましょう。

不安だとは思いますが一度冷静になり、発作が起きているときの猫の様子を観察して記録しておきましょう。こうすることで、動物病院受診のときに伝えられやすくなります。たとえば、スマートフォンで撮影したものを獣医師に見せると、わかりやすく伝えられます。

猫の「てんかん」の治療

猫と薬

腫瘍や中毒などけいれん発作の原因が分かっているときは、その治療によって発作が起きなくなることがあります。

ただし、ほとんどが原因不明で、根本的に治せる病気ではありません。

具体的には、内服薬を使って発作が起きる回数を減らしたり、発作の時間が短くなるようにしたりする治療が行われます。そのため、発作の頻度が低い場合は、薬を使わずに経過観察となります。

てんかんのように見えますが、原因が脳にはない病気としては腎不全による尿毒症、肝性脳症、低血糖などがあります。治療方法が異なりますので、しっかり鑑別することが大切です。

まとめ

病院で診察される猫

今回は、猫の「てんかん」の主な症状について解説しました。

猫の「てんかん」の症状は、体がけいれんしたり、意識がもうろうとしたり、足をバタバタさせたりなど、さまざまです。

治る病気ではなく、薬によって発作をコントロールする治療が行われます。

愛猫が「てんかん」のような異変を感じたら、猫の様子を撮影したり、メモをとったりしてすみやかに動物病院に相談をしましょう。

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