愛猫を『完全室内飼育』にすべき4つの理由 お家の中だけでも幸せに暮らすコツも

愛猫を『完全室内飼育』にすべき4つの理由 お家の中だけでも幸せに暮らすコツも

国内における猫の完全室内飼育は主流となっており、日本ペットフード協会が実施した「全国犬猫飼育実態調査」によると、愛猫を完全室内飼育している割合は83.7%にものぼります。外に出すかどうかの考え方は人それぞれですが、ここでは、完全室内飼育にすべき理由を4つご紹介していきますので、猫が幸せに暮らせる形を一緒に考えてみませんか?

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

愛猫を『完全室内飼育』にすべき4つの理由

首輪をつけて外に出ている飼い猫

1.思わぬ「交通事故」や「病気」へのリスクを減らすため

環境省の調査によると、負傷により収容された猫(交通事故以外も含む)は、犬のおよそ17倍となっています。

車通りの多い薄暗い時間帯を好んで活動していること、突然の車に驚いて身動きできなくなってしまうことなどが、猫が事故に巻き込まれやすい理由として考えられるでしょう。

さらに、野生生物と接触する機会も増えるため、猫エイズやノミ・ダニの寄生も心配されます。

それに比べてお家の中は、車や野生生物と接触する機会がなく安全です。

2.「虐待」の被害から守るため

猫が苦手、嫌いという人もいる世の中ですが、なかには猫に危害を加える悪い人間もいます。

自分より弱い立場である猫に対し、日頃の不満を発散させたい、自分自身を大きく見せたいといった身勝手な動機による行為です。

完全室内飼育が定着していなかった20年ほど前の話となりますが、筆者の祖母の家で飼っていた愛猫は、毒餌によって命を落としてしまいました。

たとえ命に別状がなくとも、愛猫の体や心に大きな傷を与えてしまう危険性があるということを、肝に銘じておきたいものです。

3.「脱走癖」をつけないようにするため

一度でも外の楽しさを覚えてしまった猫は、外の世界が気になってしまい、飼い主さんの隙を狙って脱走してしまうことがあります。

脱走から1週間以内であっても、戻ってくる確率は30%〜40%と言われており、当たり前に帰ってこれるわけではないということを理解しなければなりません。

また、完全室内飼育の場合でも、好奇心旺盛な性格だったり、大きな物音などで恐怖を感じたり、興奮したりすると、脱走してしまう猫もいるため、注意してください。

4.「生態系」を守るため

実は猫は、生態系を崩しかねない存在となっています。

「キャット・トラッカー」という国際的なプロジェクトの調査により、放し飼いにしている猫は、その地域で暮らす野生生物に大きな影響を与えかねないことが分かりました。

猫の活動範囲は限られたエリアにはなっているものの、一点集中で狩りをされてしまっては、確実に悪影響を及ぼします。

もちろん猫に悪気はないでしょうが、知らず知らずのうちに悪者扱いをされないためにも、やはり完全室内飼育が推奨されるでしょう。

お家の中だけでも幸せに暮らすコツ

キャットタワーから外を眺める2匹の猫

猫に幸せを感じてもらうためには、お家の中でも刺激を与え、快適に暮らせる環境を整えることがコツです。

窓から外の様子が見られる場所や、キャットタワーなどの高さがあって上下運動できる場所をつくってあげましょう。

猫の狩り本能を満たせるように、猫じゃらしなどで遊ぶ時間も積極的に取るようにしてください。

爪とぎも猫にとっては大切な習慣ですので、猫の好みに合わせたアイテムを、複数の箇所に設置しましょう。

また飼い主さんとの充分な信頼関係が築けると、室内でも一緒に遊ぶことで満足考えられます。

体力的な発散だけでなく、精神的な充実感によるストレスの発散もとても大切です。

このような工夫で、室内を安全な「縄張り」と認識させられたなら、外に出たいと思うこともなくなるのではないでしょうか。

まとめ

幸せそうに目をつむっている猫

猫の完全室内飼育が推奨されることには、明確な理由があります。

交通事故、病気、虐待の引き金となる機会を与えないことで、猫の心身の健康を保つことができるのです。

猫が帰ってこれなくなるリスクも潜んでいるため、脱走癖をつけないためにも、外の楽しさを経験させることは避けましょう。

結果として、猫の安全を守るためだけではなく、野生生物の生態系を守ることにもつながります。

快適に過ごせる工夫を凝らすことにより、愛猫は、お家の中だけでも十分幸せを感じられることでしょう。

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