16年間「町のマスコット」として愛される町役場の黒猫 腫瘍と闘いながら穏やかな余生を満喫 米国

16年間「町のマスコット」として愛される町役場の黒猫 腫瘍と闘いながら穏やかな余生を満喫 米国

米国の小さな町で、16年前に庁舎に住み着いた黒猫が、マスコットとして人々に愛され続けています。高齢になった猫には投薬が必要ですが、人々の寄付と協力で治療を継続していく予定です。

正式なマスコットに就任

本を前にしてくつろぐ黒猫

画像はイメージです

米国インディアナポリスの北東にある、人口1万超の小さな町マコーズビルには、16年もの間、町の庁舎のマスコットとして愛され続けている黒猫がいます。

その名は「Oscar」。「Out Side Cat at Rear」(裏口近くにいる猫)の頭文字をとって名付けられました。というのもこの猫は、当初警察署の外にたむろして餌をあさっていたからです。

「最初は警察署にいましたが、徐々に町役場に住み着くようになりました」と話すのは、16年間町長を務めたTonya Galbraithさんです。

市庁舎にやってくる人々にとって、Oscarが事務室の机から机へと移動して来客を迎えてくれる姿は、おなじみの光景です。すっかり人気者になったこの猫は、2019年に正式に町のマスコットに任命されました。

ふだんこの猫は、屋内外を行ったり来たりしています。庁舎には快適な場所がたくさんあるし、外には冒険するところが豊富にあって、どちらも魅力的だからでしょう。

何度も危機を乗り越えた猫

女性に抱かれる黒猫

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「年をとってちょっとペースが落ちたけど、まだ根性は十分ありますね」と話すのは、建築検査官のKatie Stancombeさんです。彼女とAllyson Hamlinさんが主に世話をしていますが、15人いる事務職員も協力してくれているといいます。

2009年に庁舎が道路の反対側に移転したとき、Oscarが一緒に移ってくるかどうか不安でしたが、ちゃんと新しい庁舎に適応しました。

実はOscarは、これまで何度も危機に遭遇し、生き延びてきました。

3ヵ月間行方不明になったこともあります。突然いなくなったときは、職員たちがチラシを貼りだして捜索しました。しかししばらくたってから、Oscarは平然とした顔つきで戻ってきたのです。

庁舎の駐車場にいたOscarを、野良猫と思った人が郡の動物愛護協会に連れて行ってしまったこともありました。しかしそこですぐに身元が判明し、庁舎へと戻ることができたのです。

銃撃されたことまでありました。数年前、散歩から帰ってきたときに具合が悪そうだったので獣医に診せたところ、BBガンで撃たれていることがわかりました。だれかの裏庭にいたところを、ウサギと間違えて撃たれたのかもしれません。

投薬による治療を継続中

えさをもらう黒猫

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いまOscarは、人々の助けを必要としています。というのも、口に腫瘍ができて甲状腺の病気にもかかっているからです。腫瘍を取り除くには年を取りすぎているため、食事と一緒に1日2回薬をもらっています。

「最初は液体の薬を処方されたのですが、どうも好みではないようです」とKatieさん。職員たちは薬と療養食の経費をまかなうため、庁舎ロビーに寄付箱を設置することにしました。

最近は室内にこもることが多くなったOscarですが、新鮮な空気を吸いたくなったときは鳴いて窓を開けるよう職員にせがみます。

「パソコンのキーボードの上で寝たり、パソコンを使っている職員の腕に寄り添ったりするのが好きですね」(Katieさん)

人々の善意によって病状を管理することで、Oscarの幸せな老後生活が長く続くことを願いたいものです。

出典:This small town Indiana cat needs some big help. Oscar is also accepting thoughts and purrs

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