1.帰宅時の玄関
家族をはじめ、来客、荷物の配達、家電の設置作業など、家の玄関は、何かと人の出入りが多い場所です。脱走願望のある猫からすれば、最もチャンスの多いポイントかもしれません。
いちばん脱走しやすいのは、飼い主さんが外出先から自宅に戻ったときです。愛猫のお出迎えは、一日の疲れが吹き飛ぶうれしい瞬間ですが、注意を怠ると、半開きになったドアから、愛猫がそのまま外へ脱走してしまう場合があります。
いったん表に出ると、交通事故や他の猫とのトラブルなど、危険がいっぱいです。たとえ無事に戻ってきたとしても、脱走によりテリトリーの範囲が外にまで広がるため、縄張りパトロールができずにストレスを抱え込むようになります。
帰宅時は、愛猫がいないかどうか、慎重に確認しつつ、ゆっくりとドアを開けるようにしましょう。いきなり派手に開けてしまうと、隙を突かれて、脱走される恐れがあります。脱走防止には、高い柵やフェンスの設置が効果的です。
とりわけ、来客の対応時は、ついつい愛猫への注意が散漫になりがちなので、十分に留意してください。
2.網戸を閉め忘れる
換気や雑用などで開閉の多い窓もまた、玄関と同様に猫の脱走スポットです。窓辺は猫が好む場所のひとつで、日なたぼっこや外の観察でよく利用します。日頃の飼い主さんの行動を見て、どうすれば窓が開くのか、理解している猫も珍しくありません。
とりわけ、注意したいのは、窓が網戸になった状態です。開けたまま外に出たり、閉め忘れて部屋に戻ったり、ちょっとした油断がそのまま脱走に直結します。ほんのわずかな隙間でも、脱走を試みる猫にとっては絶好の機会です。
しかも、網戸は軽く、爪を引っかければ、猫の力でも簡単に開きます。網戸の扱いに「うっかり」は許されません。
対策としては、網戸ロックや網戸ストッパー、突っ張り棒の活用が役に立ちます。また、脱走防止のフェンス設置、ペット用網戸の導入も検討の価値ありです。
3.ベランダで洗濯物を出し入れする間に
3つ目はベランダです。ベランダは脱走だけでなく、落下事故の危険性もはらんでいます。高所から落ちてしまうと、いくら猫と言えども、多くの場合、致命傷は避けられません。
いちばんありがちなのは、ベランダで洗濯物を干したり、取り込んだりしている間の脱走です。せっせと洗濯物作業に励んでいると、愛猫に対する目配りがどうしても疎かになってしまいます。猫の動きは素早く、逃亡劇は一瞬です。
前述したように、ベランダは脱走に加え、落下事故も怖いところです。二重の意味でリスクが高いので、悲しい事故を防ぐためにも、万全な対策が欠かせません。
網目の小さなネットやフェンスを設置するほか、日除けシェードなどを使って、脱走できそうなベランダの隙間を塞ぐようにしましょう。
まとめ
愛猫の脱走は悲劇です。最悪の事態を想定し、あらかじめ脱走しそうな状況を理解しておくと、のちの予防にもつながります。
猫が脱走しやすい場所は、玄関、窓、ベランダの3つです。たとえ普段は外への関心が低い子でも、何かのスイッチが入り、ハプニング的に脱走することもあります。
今回、紹介した内容をヒントに、死角のない脱走防止策に取り組んでみてください。