「珍しい毛色」が生まれる理由
サビ猫、べっこう猫等、猫の毛色には本当にさまざまな色がありますよね。また、同じ猫種でも性別によってその色の出方が異なっていることもあり、中にはめったにお目にかかれないレアな毛色を持つ猫も存在しています。
猫にレアな毛色が生まれるのには、染色体が関係しています。ご存じの通り、染色体にはXとYがあり、XXでメス、XYでオスになります。この際、一部の毛色の決定にも、染色体の有無が関わってきます。
たとえば、三毛猫やべっこう猫の場合、茶色(オレンジ)と黒色の毛色が同時に発現するためにはXXとなる必要があります。そのため、三毛猫やべっこう猫にはメス猫が出現しやすくなるのです。
一方、茶色(オレンジ)だけの茶トラ猫の場合は、オスになりやすいXYで誕生します。
さらに、三毛猫のオスなど、一部のイレギュラーは染色体の異常で偶然誕生するものとされています。
そこで今回は、猫のオス・メス別の「珍しい毛色」について解説します。もしかしたらお家の愛猫も「珍しい毛色」の猫に該当しているのかも?!
1.三毛猫(オス)の茶色・白・黒
茶色と白、黒色の三色が織り交ざった毛色の三毛猫は、実はそのほとんどがメスの個体で、そもそもオスが生まれることは極めて稀です。一説では、『オスの三毛猫が生まれる確率は1/3000』と言われています。
そのため、メスとしては珍しくない色だとしても、性別がオスだとしたらその存在自体が非常にレア、ということになります。
ちなみに、三毛猫がメスばかりな理由は、冒頭で説明したように遺伝子が関係しています。
三毛猫のように茶色(オレンジ)と黒色が同時に現れるためには、メスが生まれやすい遺伝子配列になる必要があります。
ただし、三毛猫の中でも、オスが生まれるケースがあります。非常にレアな存在なので、『オスの三毛猫はとても縁起がいい』と言われています。
2.茶トラ(メス)の茶色
三毛猫がメスばかりなのに対して、茶トラはオスの個体がほとんどで、メスの茶トラは珍しいとされています。
茶トラにオスが多いのも、三毛猫同様、遺伝子の問題。毛並みが茶色になるためにはオスが生まれやすい遺伝子配列である必要があります。一説では、『メスの茶トラ猫の数は、オスの茶トラの1/3以下』とも言われています。
そのため、前述の三毛猫(オス)同様に、茶トラ(メス)の毛色もその存在自体がレア、ということになります。
3.べっこう猫(オス)の茶色(オレンジ)と黒
毛色が茶色(オレンジ)と黒で構成されているべっこう猫(別名:さび猫、トーティ)も三毛猫同様、オス猫が少なくメス猫が多いです。
理由は三毛猫同様、茶色(オレンジ)と黒色が同時に現れるためには、メスが生まれやすい遺伝子配列になる必要があるため。三毛猫のオスや茶トラのメス同様、べっこう猫のオスも出会えたら非常にラッキーな存在と言えます。
まとめ
今回は、猫のオス・メス別「珍しい毛色」について解説しました。
三毛猫やべっこう猫、茶トラ猫など、一部の猫の中にはオスとメスでレアとなる毛並みが存在します。
もしも、普通だったら巡り合えないレアな毛並みの猫と出会えたら、かなり縁起がいいのかもしれません。
今回の記事を参考に、身近な猫が実は「珍しい毛色」の持ち主ではないか、確認してみてはいかがでしょうか。