猫が『猫背』になるのはなぜ?3つの理由 実は猫ならではの動きを生み出していた?

猫が『猫背』になるのはなぜ?3つの理由 実は猫ならではの動きを生み出していた?

「猫背」は私たち人間にとっては、健康面での不安要素になりますが、猫にとっては、猫ならではの動きを生み出す役割を担っているようです。ここでは、猫が猫背になる3つの理由を具体的に解説していきます。猫の体の構造について理解を深めるきっかけにもなりますので、ぜひご覧ください。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.衝撃を緩和させるため

下に降りようとしている猫

猫は、私たち飼い主が思わずヒヤヒヤしてしまう高いところからも、華麗な着地を見せてくれます。

ジャンプをするときや飛び降りるときに、猫が猫背になることには、ケガをしないようにするためという側面があるのをご存知でしょうか?

猫背の体勢は、衝撃を和らげるクッション材のような働きをします。

体は180度も曲げることができるそうで、高いところから落ちた場合でも、体をひねりながらスムーズに着地することができます。

とはいえ、落下による事故はゼロではありませんので、飼い主さんは猫の安全を常に確保してください。

2.狩りの成果を上げるため

獲物に跳びかかる猫

狩りを成功させるためにも、猫背は意外にも重要です。

まずは獲物に気づかれまいと、猫背の体勢を取りながら、ゆっくりと獲物との距離を縮めていきます。

いよいよ獲物を捕らえるというタイミングで、瞬時にバネのように体を伸ばし、一気に跳びかかっていきます。

猫の関節や骨の数は人よりも多く、柔軟性に優れた背骨を活用して、跳ねるように走ることができます。

さらに、足の速さはおよそ時速50㎞と言われていることもあって、逃げようとする獲物を簡単には逃しません。

3.気持ちを表現するため

警戒する猫

猫背は気持ちをあらわすサインにもなります。

猫は、安心しているときは背中が真っ直ぐな状態ですが、怒っているときや警戒しているときは、背中が丸まるので、違いを観察してみてください。

その一方、怒りや警戒心とは真逆の「甘えたい」気持ちのあらわれである場合もあります。

毛が逆立っておらず、喉をゴロゴロしていたり、目を細めてリラックスしていたりするのであれば、甘えていると受け取ってよいでしょう。

また、背中をすり合わせるようにしてコミュニケーションを取ることもあり、意思疎通にも背中は欠かせません。

猫背とは無縁な姿を見せることも

猫の立ち姿

SNSでもたびたび話題になる、猫背とは程遠い猫の立ち姿を見たことはありますか?

猫は気になるものが目に入ると、目線を高くするために、立ち上がって確認する場合があります。

確かに筆者の愛猫の場合も、食べ物や買ってきたばかりの物を置いた場所や、外の様子が気になる窓際では、ときおり立ち上がって確認する姿が見られます。

立ち姿の良し悪しには諸説ありますが、もともとの体の構造には立ち姿は適しておらず、体にかかる負担を心配する声も上がっています。

猫自らこのポーズを取っているのであればよいのですが、無理やり立たせることは控えてください。

まとめ

丸まって毛づくろいする猫

猫が猫背になることは、華麗なジャンプや着地、狩りの成果を上げるために重要です。

ときには衝撃を和らげるクッションに、ときには体を瞬時に伸ばすためのばねのような働きをし、猫ならではの動きを生み出します。

高いところから着地することは得意ですが、落下事故が発生する可能性はゼロではないため、猫の安全には常に気を配りましょう。

気持ちをあらわすサインにもなる一方で、背筋をピンと伸ばして立ち上がる姿を見ると、猫背が本当にトレードマークなのかと、疑問に感じることもあるかもしれません。

これからも、さまざまな表情を見せてくれる猫の行動を、近くで優しく見守り続けましょう。

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