1.顔の近く
猫との信頼関係が最も高いといわれているのは、飼い主の顔の近くで寝るパターンです。基本的に、顔の近くであるほど飼い主に心を許しているといわれます。飼い主を仲間とみなし、全幅の信頼を置いているのでしょう。
子猫は、毛づくろいをしてもらうために母猫の口元に顔を近づける習性があります。このことから、飼い主の顔の近くで寝るときの気持ちとして考えられるのは「甘えたい」や「安心したい」などです。猫社会で鼻をくっつける行為が挨拶や敬意の表明であることも根拠のひとつです。
目の前に猫のお尻がある…という場合もあるでしょう。警戒心が高い猫が相手にお尻を向けるのは、まぎれもなく信頼の証です。ある程度成長した子猫が母猫にお尻を向けて寝ることがあります。相手が母猫でも飼い主でも、「頼れる家族に守ってもらいたい」という気持ちが強く働いているのかもしれません。
2.足元や股の間
飼い主の足の近くで寝る猫も多いことでしょう。このパターンは、信頼度は高いけれど、一定の距離を保ちたがっていると考えられます。というのも、足の近くというのは、何かあればすぐに逃げられる場所だからです。
猫の気持ちとしては、「甘えたいけど人間主導は嫌」「一緒に寝たいけど触られたくない」といった具合でしょうか。独立心が高い猫の中でも一段とツンデレなタイプや、単純に触られることが苦手なタイプに多いといえるでしょう。
また、飼い主の股の間にハマるようにして寝る猫もいます。これは寒がりな猫や狭い場所で寝るのが好きな猫に多いパターンです。「触られたくない」と思っている可能性もありますが、人間に対して警戒心が薄いからこそ股の間で寝るという見方もあります。
3.布団の上や布団の中
飼い主が寝室に行くと猫がすでに寝転がっている…このように、布団を陣取るようにして寝るというパターンもあります。
わざわざ飼い主の寝床に入り込んでいるのですから、信頼度は悪くないといったところでしょう。自分がベッドの主であるかのように振る舞う姿から、飼い主を守っていると感じる人もいるようです。
布団の上で寝る猫は「なでてもらいたい」と思っているかもしれません。飼い主の膝に乗ってなでられることが好きな猫が、膝に乗っているつもりで布団の上に転がっているというわけです。一方、単に布団の柔らかさが好きなケースもあるでしょう。
対して布団の中に潜り込む猫は、「飼い主のニオイを感じたい」「密着していたい」など、より甘えたい気持ちが強いといえます。もちろん寒いだけかもしれませんが、信頼できる群れの仲間として寝床を共有しているとも考えられます。
4.ベッドから離れた場所
飼い主のベッドに入らず、同じ部屋の離れたところで寝る猫もいます。今までの話から信頼度が低そうな気がしてしまいますが、必ずしもそうとは限りません。
顔の近くで寝る猫が甘えん坊なのに対して、離れて寝る猫は「飼い主を見守りたい」という気持ちが強いとも想像できるのです。敵が来てもすぐに対応できる場所で、護衛しているつもりなのかもしれません。
完全に別部屋で寝る猫に関しても、単に「寝るときはひとりがいい」と思っているケースもあります。これは飼い主との信頼度に関係なく、もともとの性格によるものです。また多頭飼いの場合は、猫同士で集まって寝ることを好む場合もあります。
ただし、飼い主の寝相が悪くて近くで寝られない可能性も否定できません。突然猫が離れて寝るようになった場合は、就寝中に驚かせた可能性がないか振り返ってみましょう。
まとめ
猫が寝る位置は、気分や性格で左右されることもあります。近くで寝てくれないという方も、あまり気にし過ぎる必要はないでしょう。
また、猫が安心して寝られるように、寝室の音や室温には充分配慮してあげましょう。