1.お留守番中のトラブル
暑さの激しい夏休み期間中のお留守番では、熱中症のトラブルが発生しがちです。熱中症は死ぬ病気であり、言葉を発せない動物は重症化しやすい傾向にあります。熱中症による猫の死亡率は50%前後とも言われており、決して軽視することはできません。
留守にする際には、エアコンを常時稼働させ、室温を25〜27度程度に保つようにし、愛猫自身でも温度調整できるような環境を作ってあげましょう。
猫は寒いことを苦手とするため、部屋の冷やしすぎ対策としては、温かい素材のベッドも用意するほか、エアコンのない部屋にも移動できるよう、ドアを少しだけ開けておくとよいでしょう。
水分補給も大切ですので、水飲み場を多めに用意してください。自動給水器など常に新鮮な水が飲めるものも活用できます。
また、暑さ対策として窓を開けておいたがゆえの、思わぬ脱走トラブルにも注意したいものです。
網戸の場合でも、爪でひっかいて脱走するリスクが潜んでいますので、脱走防止の柵やストッパーで対応してください。
また夏場はたとえ風があっても外の高温は危険です。地域にもよりますが、日中は窓を開けずにエアコンを利用した方が良いでしょう。
2.来客によるトラブル
友人や親戚を自宅に招く機会が増えるシーズンですが、愛猫にとっては初対面の連続となり、ストレスを感じやすくなります。
たとえ来客者には悪気が全くなくとも、愛猫への接し方によっては、猫自身も飼い主さんもイヤな気持ちになってしまうことがあるかもしれません。
お互いが気持ちよく過ごせるよう、飼い主さんは来客者と愛猫の間に立ち、適切に対応しましょう。来客に対しては必要に応じて、愛猫の性格や接し方を事前にレクチャーすることをオススメします。
かわいい愛猫の姿を見てもらいたい気持ちは抑え、愛猫自ら近づいてくれるのを待ちましょう。
また、話が弾むとつい大きな声になりがちですが、できるだけ静かな声でおしゃべりを楽しんでください。
愛猫の逃げ場を確保しておき、少しでも落ち着いて過ごしてもらえるよう心がけましょう。
3.旅行・帰省同行中のトラブル
一般的に猫は、自宅(普段過ごしている場所)から移動させない方が望ましいと言われていますが、何らかの事情で、旅行や帰省に同行させる場合もあることでしょう。
移動そのものがストレスに感じることが多く、乗り物酔いによる体調不良やトイレのトラブルが起こり得ます。
公共交通機関を利用する場合は、猫の持ち込みのルールを事前に確認するのが望ましいでしょう。
移動中の負担を少なくさせるためには、段取りをしっかり整えておくことが大切です。
愛猫が乗り物酔いしやすい傾向があるのならば、獣医師さんに相談の上、酔い止めの薬を事前に処方してもらうのも有効です。
また、車での移動の場合は、ペットシートやポータブル式の簡易トイレも準備しておけば、排泄の心配も軽減されます。移動前にトイレを済ませておくのも、ひとつの手です。
さらに、脱水症状にならないよう、こまめな水分補給もお忘れなく。
万が一、旅先で愛猫が体調を崩してしまった時のためにも、事前に旅先で受診できる病院を調べておきましょう。夜間の救急病院は全国でも数が少ないので、先に調べておくと緊急時にも慌てず対処できるでしょう。
「環境の変化」がなぜストレスになるの?
家の中が縄張りである室内飼いの猫にとっては、部屋のちょっとした模様替えでさえ、敏感に反応してしまうほどです。
そんな大切にしている縄張りから離れることや、来客に足を踏み入れられることは、強いストレスが加わってしまう可能性が高まります。
普段より頻度が増えがちなお留守番も、環境の変化に当てはまり、飼い主さんが不在で甘えることができず、いつもの生活ペースも乱れ、心が不安定になってしまう場合があるかもしれません。
外出から戻った際には、お留守番をしてくれた愛猫に感謝し、コミュニケーション不足の解消に努めましょう。
まとめ
猫飼いさんの夏休みは、来客やお留守番など、どうしても猫に生活を合わせてもらう必要が出てくることでしょう。
しかし、自分の都合ばかりを優先させた行動や、愛猫への配慮不足がきっかけで、思わぬトラブルに発展することもありますのでご注意ください。
今回ご紹介した3つのトラブルは、いずれも「事前に環境を整えること」を意識して対応すれば、愛猫への負担軽減につなげられます。
留守中の室温管理や、来客への対応レクチャー、旅行・帰省前の準備などは万全を期してください。
暑い季節に発生するリスクが高い熱中症にも気を付けながら、今年の夏も楽しく過ごしましょう。