猫のおヘソはどこにある?基本的な位置と役割
猫のおヘソは、うしろ足の付け根より少し上のところにあります。
哺乳類は、母親のお腹の中にいる間、ヘソの緒を通して胎盤とつながっています。
母親からは、酸素や栄養など成長に必要な物質を受け取り、胎児からは排出する二酸化炭素や老廃物を預かる胎盤は、母親と胎児を結ぶプラットフォームのような役割をしています。
その胎盤と胎児を結ぶ通り道が、ヘソの緒です。出生後は、ヘソの緒は脱落して小さな傷跡が残ります。それがおヘソです。
猫のおヘソは、人間のおヘソのように目立った凹みがなく、薄く被毛がない部分として確認できる程度なのです。
また、お腹の被毛は全身の被毛と比較してもフワフワしているため、おヘソが見つけにくくなっています。
猫のおヘソを見つける方法
猫のおヘソを見つけるには、お昼寝してまどろんでいるときなど、お腹を触っても嫌がらない状態ではじめましょう。猫を仰向けにして、触っても大丈夫なくらいリラックスを維持させることが大切です。
おヘソは、うしろ足の付け根と一番下の肋骨の間、だいたい3分の1くらいの中央線上に位置しています。
毛を優しくかき分けながら毛の流れがうずまきになっている「つむじ」のような場所を探してみましょう。
猫が嫌がらなければ、軽く息をフッフッと吹きながら毛を避けていくと、毛が自然な向きに倒れるので、わかりやすいかもしれません。
おヘソの周りの毛は、小さな円形になって、ほかの場所より薄くなっています。
猫にとってお腹はセンシティブな場所なので、もし嫌がってしまったら、無理に探そうとせず、また今度にしましょう。
猫のおヘソの正常と異常の見分け方
通常猫のおヘソは、見つからないくらい目立たないのが正常です。もし、簡単に見つけられるような「目立ったおヘソ」であれば、何かしらの異常が隠れているかもしれません。
猫の中にも「出ベソ」な子がいて、多くの場合「臍(さい)ヘルニア」になっています。
ヘルニアとは、もともとあるべき場所から、臓器(主に脂肪)が飛び出てしまう状態のことを指します。臍ヘルニアは、成長の段階でしっかりと閉じる腹筋に隙間が生じてしまい、内臓の一部や脂肪が出てしまう病気です。
臍ヘルニアは、生後5〜6ヵ月くらいで改善することも多く、特に症状がない場合は経過観察となります。
ただし、出てしまった臓器が戻らない状態は命に関わるため、「大きいもの」「大きくなっているもの」「炎症や痛みがあるもの」は、手術が必要になる場合があります。
愛猫のおヘソ探しをして気になることがあれば、かかりつけの獣医さんに相談してみましょう。
まとめ
今回は、猫のおヘソについて解説しました。
猫のおヘソは人間のおヘソと違って、毛がすこし薄くなっているだけなので、見つけるのはむずかしいかもしれません。
上手に見つけるコツは、足の付け根の方から身体の真ん中をゆっくりと顔のほうに向かって探してみましょう。毛の流れがうずまきになっている場所がおヘソです。
もし猫のおヘソが、出ベソになっていたり、皮膚が赤く炎症していたりすれば要注意です。動物病院で診てもらいましょう。
また、猫のお腹はとても繊細なので、愛猫が嫌がる場合は無理せず、すぐにやめてあげるようにしましょう。