猫がいる家で『蚊取り線香』を使っても大丈夫?猫にも安全な虫除け方法とは

猫がいる家で『蚊取り線香』を使っても大丈夫?猫にも安全な虫除け方法とは

夏の強い味方である「蚊取り線香」。最近ではさまざまな虫除けツールが販売されていて、あの形はあまり目にしなくなったかもしれませんがまだまだ現役で活躍している場合も。しかし、猫がいる場所での使用は大丈夫なのでしょうか。そこで今回は、猫がいる家での「蚊取り線香」の安全性や安全に取り入れられる虫除け方法についてご紹介いたします!

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫がいる家で「蚊取り線香」は大丈夫?

猫の蚊取り線香

今年も蚊に遭遇する季節がやってきました。虫除け対策としてメジャーな蚊取り線香やベープですが、これらは猫がいるご家庭でも使用できるものなのでしょうか?

ここでは、猫にも安全な虫除け対策について徹底解説いたします。

「蚊取り線香」「液体虫除け」「ワンプッシュタイプ」は問題無し

「蚊取り線香」の主成分は、菊由来の「ピレトリン」と呼ばれる成分です。猫はもちろんのこと、犬やハムスターなどの動物に対しても安全なのだそうです。

ちなみに、キク科の植物の樹液には毒性があり、猫が舐めると危険とされています。

しかしながら、蚊取り線香として加工されているピレトリン(化学薬品であるピレストロイドも含む)は、健康を害するものではありません。火傷に注意する必要はありますが、取り入れても大丈夫です。

ただし、個体差はあるため、使用しながら体調の変化にも気を付ける必要があります。

また、最近では「液体虫除け」を使うご家庭が多いのではないでしょうか。マットに沁み込んだ虫除け用の液体を専用の機械を使って蒸散させる環境にも優しい方法で、「火を使わない」「香りが強くない」という点で重宝されています。

今ではこちらのほうが主流かもしれませんね。気になる猫への安全性ですが、主成分は蚊取り線香と同じ『ピレストロイド』なので問題ありません。

こちらも蚊取り線香同様、反応には個体差があるためおうちの猫ちゃんに適しているかどうか体調の変化などを見て判断してあげてください。

さらに、部屋の四隅にプッシュするだけで蚊が寄り付かなくなる「ワンプッシュタイプ」もあります。こちらも主成分は変わらないため、猫がいる空間でも安心して使うことができます。

アロマオイルは使用不可

ラベンダーやゼラニウム、ミントやレモングラスなどのハーブには虫除け効果があります。爽やかな香りを楽しみながら蚊を防ぎたいという方も多いかもしれません。

アロマオイルとしても親しまれているこれらの成分ですが、猫がいるご家庭では使用を控えてください。

その理由は、アロマの元となる精油を猫が舐めた場合、肝不全や腎不全を引き起こす恐れがあるから。最悪のケースでは命に関わる可能性もあるので、蚊取り線香のほうが安全性が高いといえます。

「蚊取り線香」を使用する上で注意すべきポイント

病院で口を確認される子猫

先ほど火傷の注意喚起をしたかと思いますが、円弧がいる家で「蚊取り線香」を使用する際にやはり最も気をつけたいのは「誤飲」です。

蚊取り線香やベープ、ワンプッシュタイプの場合は、万が一舐めてしまってもさほど危険性はないとされています。

起こり得る症状としては消化器症状が挙げられるものの、命に関わるほどではありません。とはいえ、取り扱いには細心の注意を払ってください。

もしもの場合は体調の変化を観察し、異変があれば動物病院に相談するようにしましょう。対処法として水を飲ませることが有効とされていますが、無理やり飲ませる行為は逆に危険です。自ら飲む場合は飲水量も含めて様子見をお願いします。

まとめ

うちわを抱えて寝転がる猫

虫除け対策として身近な「蚊取り線香」。この頃メジャーになりつつある「液体虫除け」や「ワンプッシュタイプ」のものを含めて、猫のいる家でも安心して使用できることが分かりました。

ちなみに、蚊取り線香の中でも特に安全性が高いのは、天然由来の「ピレトリン」が加工されたものです。安価なものではないものの、気になる場合はこちらを選ぶと良いでしょう。

なお、一見すると安全そうなアロマオイルは、猫にとっては非常に危険なものですので、使用してはいけません。仮に動物用として商品化されたものであっても、猫への安全性が担保されていないのでご注意ください。

今回解説した「蚊取り線香」などでの虫除け対策と合わせて、駆虫薬である病院での処方薬を使用してフィラリア対策も行っておくと一層安心ですね。

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