1.100%安心しているから
猫の腹部は骨で守られていないため、急所であるといえます。もし腹部を攻撃されたり噛まれたりしたら、命を落とすこともある場所だからです。
そして猫はもともと警戒心の強い動物なので、自分が安心できない場所で眠ったり腹部を見せたりすることは絶対にありません。お腹を撫でただけで「攻撃された」と思ってしまうこともあるほどです。
ただし、生まれ育った環境しだいでは、人間や他の動物にとても慣れている猫もいます。よく「バンザイ寝」をしている猫は、自宅の住環境に多大な安心感を得ていて、飼い主さんのことを100%信頼しているといえます。
2.暑いから
猫は犬のように口呼吸で体温調節をすることがほとんどありません。猫の主な体温調節はグルーミングで、被毛を濡らしてそれを蒸発させることで熱を逃すのです。
グルーミングの他にも、猫は家の中で気温の低い場所に移動することで暑さや寒さ対策をします。また暑いときは腹部を上向きにさせることで体から熱を放出。いわゆる「ヘソ天」のポーズには、体温調節(暑い)という意味もふくまれ、夏場にもよく見られます。
猫が寒いと感じているときは、本能的な感覚からヘソ天をすることはありません。ただし冬場の床暖房やホットカーペットの上で猫がヘソ天をしているのはよく見る光景。そんなときは、腹部が直接触れるには、その床の温度が高いと感じているからでしょう。
3.子猫気分になっているから
猫はあおむけの状態で体をクネクネ動かすときがあります。これは甘えたい気持ちのあらわれ。その他なにか要求があるときにもこのポーズをとるのです。そんな仰向け姿勢は、よく子猫が母猫に見せる仕草としても知られています。
しかも子猫は体力がまだ少ないので、母猫に甘えているうちに寝てしまったり、遊んでいるうちに寝落ちしてしまったりします。よって、「バンザイ寝」をしているのが成猫なら、もしかしたら子猫気分になっているサインかもしれません。
まとめ
「バンザイ寝」とは、腹部を上に向けて寝る「ヘソ天」よりさらに安心度が高まっているときのポーズです。
腹部をさらけ出しガードできるはずの両腕や両足ですら伸ばしきるのは、絶大なる信頼があってのこと。中には生まれ育った環境により警戒心が強く、なかなか「バンザイ寝」をしない猫もいますが、もし愛猫が無防備な姿をしていたらそれは飼い主として喜ぶべきことでしょう。
だからこそ、急にお腹を触ったり驚かしたりするのはNG。信頼を失ってしまうこともあるので絶対にやめましょう。