猫の『室内飼い』はストレスになる?気をつけるべき3つの注意点

猫の『室内飼い』はストレスになる?気をつけるべき3つの注意点

愛猫は「室内飼い」することで、ケガや事故などから守ることができます。しかし、住環境が整っていなかったり、猫の習性を考慮していなかったりすると、猫にとって思わぬストレスになってしまう危険性があるのです。そこで今回は、猫を「室内飼い」する際に気を付けるべき3つの注意点を解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.猫が落ち着ける場所の提供

キャットハウスにこもる猫

猫は狩りをしていた時代の名残から、狭くて暗い場所に身を隠したり、安全だと認識できる高い場所にのぼって辺りを見渡したりすることで、安心感を得ることが出来ています。

そのため、猫を室内飼いする場合には、猫がゆっくり落ち着ける場所を提供する必要があります。

具体的には、部屋の中で暗いところや静かに過ごせそうなところに猫ベッドを置いたり、日当たりのよいところにキャットタワーを設置したりするのがおすすめです。住環境の中に猫目線での「落ち着ける場所」を用意することで、猫のストレスを軽減することができます。

多頭飼いをしている場合は、猫同士のケンカを防ぐためにも、それぞれの猫が隠れられる場所を確保する必要があります。

2.運動ができる場所の確保

遊ぶ猫

室内飼いでは、猫の運動不足にも注意が必要です。

猫は十分な運動ができないと、ストレスを溜めてしまいます。またそれだけではなく、運動不足は筋力の低下や肥満にもつながりますので、病気の原因にもなります。

猫がよくいる部屋では、床に障害物がないように整理整頓をして、猫が自由に走り回れる空間を作ってあげましょう。猫が上下運動ができるようにキャットステップやキャットタワーを設置するのも、猫の運動不足やストレス解消に効果的です。

また、一緒におもちゃで遊ぶ時間を取ることで、愛猫とのコミュニケーションの一環にもなります。

意外に思われるかもしれませんが、猫が好きなカリカリや固形のおやつを1粒ずつ遠くへ投げて与えるのも、食事と遊びを兼ねて狩猟本能を満たすことができ、猫からも喜ばれるようなのでおすすめです。

3.爪とぎ場所の設置

爪とぎをする猫

どうしても爪とぎをされたくない場所で爪とぎをされ、頭ごなしに怒ってしまう飼い主さんは案外多いのではないでしょうか。

猫の爪とぎは生理的現象で、爪のお手入れ以外にもいくつかの目的があります。

  • ニオイつけ(マーキング)
  • ストレス発散
  • 飼い主へのかまってアピール

猫にとって場所は関係なく、必要に駆られてやっていることなので、飼い主さんに叱られてしまう意味が分からずストレスを溜めてしまうのです。

対策としては、縄がついていて爪とぎができるポールや段ボールなどを用意して、そこで爪とぎをしてもらうように誘導しましょう。すると、猫も飼い主も穏やかな気持ちで過ごすことができます。

猫がストレスを感じているサイン

窓辺で毛づくろいをする猫

猫がストレスを感じていると、気を紛らわせようとする「転移行動」や八つ当たりのような「転嫁行動」、運動不足などのストレスを解消するための「真空行動」など様々な行動を見せます。

猫が見せるストレスのサインとは、具体的には以下のような仕草や行動です。

  • 過剰に毛づくろいをする
  • トイレ以外で粗相をする
  • 食欲が減る
  • いきなり攻撃的になる
  • 普段と違う場所で爪をとぐ
  • 何もないのに突然走り出す

猫はストレスが溜まり過ぎると病気になってしまうケースもあるため注意が必要です。上記のようなストレスサインを目にしたら、軽視せずにかかりつけの獣医師に相談しましょう。

また、日頃からストレスを少しでも減らせるように対策を取っていくのも大切なことです。

まとめ

気持ちよさそうに眠る猫

今回は、猫の「室内飼い」がストレスにならないように気を付けるべき注意点について解説しました。

猫の室内飼いは、大切な愛猫を守る最大の手段です。しかし、「住環境」や「飼い主・同居猫との関係性」というような要因で、猫がストレスを感じてしまうことがあります。

そのため、今回解説した注意点を考慮しつつ、猫目線で快適に暮らせる部屋を提供するような配慮が必須です。

猫がストレスを感じていると、普段とは異なる振る舞いを見せたり問題行動を起こしてしまったりします。ストレスは体調不良や病気の原因にもなるので、上記のような対策をしてもまだストレスサインを目にするようであれば、すみやかにかかりつけの動物病院で相談をしましょう。

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