愛猫の寿命を左右する『飼い方』4選 長生きしてもらうために…迷ったときの“最適解”

愛猫の寿命を左右する『飼い方』4選 長生きしてもらうために…迷ったときの“最適解”

猫は人間の家族同様、かけがえのない存在です。そんな大切な家族である猫を、できるだけ長生きさせたいと願うのは、猫を飼っている方なら誰しもが思うことでしょう。そこで今回は、愛猫の寿命を左右する「飼い方」の要点をご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.完全室内飼育をする

窓際で気持ちよさそうに眠る猫

猫を完全に室内で飼育することは、猫の寿命を大幅に延ばす方法の一つです。

突然ですが、完全室内飼育の猫と室外(外と家を行き来する)飼育されている猫の、平均寿命はご存じですか?ズバリ完全室内猫は16歳前後、外に出る飼育猫は13〜14歳といわれます。

飼育している場所の違いだけでも、2〜3歳近くの差があるのです。その理由は、屋外は猫の寿命を脅かす危険にあふれているから。

外の世界には交通事故や他の動物との闘争、病気の感染など、猫にとって多くの危険が潜んでいるため、完全室内飼育より寿命が短い傾向にあるのです。

完全な野良猫の場合は正確な把握はできないものの、動物愛護センターなどの情報によると3〜5歳で命を落としていると認識されているようです。つまり、外に出る猫の場合もそのくらいの年齢で亡くなるリスクはある、ということです。

反対に室内飼育なら車に轢かれたり、他の動物と闘争する心配はありません。またそれによる怪我や病気、野生動物との接触による感染症のリスクも減ります。

とくに猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(FIV)、寄生虫感染などの病気は、他の猫との接触で感染するリスクが高いので、なるべく避けることがベストですね。

このように、外的環境の危険から守られ温度や湿度が一定に保たれるなど、猫にとって安全で快適な環境を確保できる室内飼育は、猫の寿命にも大きくプラスの影響を与えます。

2.食事管理をする

食事をする猫

適切な食事管理も猫の寿命に影響します。猫の必要エネルギー量が満たされていない・もしくは過剰・猫に適切とは言えない食事を続けていると、猫の寿命を短くしてしまうかもしれません。

まず覚えておいて欲しいのは、肉食動物である猫は、たんぱく質が主なエネルギー源ということです。

肉食の猫は人間のように穀物といった炭水化物を分解する能力は優れていないため、人間と同じような食事はもちろんNG。

ほかにはタウリンやアルギニンなどの必須アミノ酸、脂肪酸、ミネラルなども必要な栄養素です。

とはいえ素人では必要なエネルギーを計算して…など難しいと思います。でも大丈夫です、キャットフード(総合栄養食)と水があれば必要な栄養素は補えます。

キャットフードを正しく与えていれば、猫の栄養が不足することはほとんどありません。

しかし、おやつをあげすぎる・総合栄養食でないフードだけしか食べないというのは、猫の栄養的に良くないので改善していけると良いでしょう。

3.避妊・去勢手術をする

術後服を着る猫

避妊・去勢手術は、猫の健康と長寿命を守る上で大切なことといえます。というのも、この手術を行うと、3つメリットを得られるからです。

1つ目は、避妊・去勢をしないと起こりうる病気のリスクを下げられること。2つ目は、繁殖行為に伴うストレスから解放されること。3つ目は、世話が行き届きやすくなることです。

とくに1つ目は、猫の寿命を左右するとても重要なポイント。避妊・去勢手術をすれば、生殖器に関する病気を予防できます。

たとえばメス猫では子宮蓄膿症や乳腺腫瘍、子宮・卵巣腫瘍、オス猫では精巣腫瘍などの発症リスクを下げることができるのです。

なかでも乳腺腫瘍は猫の腫瘍でもよく見られるもので、ほとんどが悪性といわれています。つまり「がん」です。気づかず進行すると、猫の命を脅かします。

しかし避妊手術を行えば、乳腺腫瘍の発症リスクを大幅に下げることができることも知られています。しかも、手術の時期(1歳未満)が早いほど、その確率は高くなるのです。

このように、避妊・去勢手術は猫の健康と長寿に大きく影響してきます。

太りやすくなるというデメリットもありますが、子猫を希望しないなら、生後6ヵ月ごろには手術を検討してみてください。

4.水分摂取を欠かさない

水を飲む猫

猫の健康寿命を延ばすためには、十分な水分摂取が欠かせません。

「たかが水分摂取が?」と思うかもしれませんが、水分をたくさん摂ることで、猫によく見られる腎臓病や尿石症などの泌尿器疾患のリスクを下げることができます。

猫の祖先は砂漠地方に住み、わずかな水でも有効活用できるように進化しているので、積極的に水をとりません。もちろんその習性は、イエネコにも継がれています。

しかしそのために猫は腎臓病、尿路結石といった病気になりやすいのです…。泌尿器疾患は猫の死因で常にトップ1〜2位に入っており、高齢の猫のほとんどが腎臓病ともいわれています。

こういった病気を防ぐためにも、積極的に水分を摂らせることは大切なポイントです。

上手にウエットフードを取り入れたり、水分補給ゼリーやおやつを活用してなるべく多くの水分を摂取させましょう!

ただし、水分摂取には注意点も存在します。市販のミネラルウォーターやお野菜のトッピングなどは、過剰なミネラルが尿路結石の原因になる可能性があるので避けてくださいね。

また、基本的に水分摂取は多くの臓器にとって良い効果がありますが、猫が自ら飲む水の量が明らかに多くなった場合は病気の可能性がありますし、心疾患など過剰な水分が危険な病気もありますので、定期的な健診も忘れずに。

まとめ

女性に抱かれながら寝る猫

猫が健康で長生きするためには、飼い方の工夫が重要です。健康的な食事管理・室内飼育・避妊去勢手術など、日常生活のなかでも気を付けるべきポイントは多岐にわたります。

飼い主が愛猫の健康のためにできることを行えば、きっと愛猫との幸せな時間を長く過ごすことができるでしょう。

ぜひこの記事を参考にして、愛猫の健康管理に役立ててください。

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