猫の『食べムラ』に困ったら…取るべき5つの対策 困ったら食器や環境を見直して

猫の『食べムラ』に困ったら…取るべき5つの対策 困ったら食器や環境を見直して

猫の飼い主ならば、一度は経験があるかもしれません。それはいつものように猫にごはんを出しても、なかなか猫が食べてくれない「食べムラ」です。生き物とって食事は生命維持のための大切な行為です。そのため食べムラが続くと健康を損ねるのでは?と飼い主も心配になってしまうことでしょう。そこで今回は食べムラの原因とその対処法について解説します。猫の飼い主さん必見の内容です。

SupervisorImage

記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の食べムラの原因は?

おいしそうにキャットフードを食べる猫

猫の食べムラの原因には、主に次のようなものがあります。

ストレス

環境の変化や生活パターンの乱れなどがストレス要因となり、一時的に食欲が落ちる場合があります。引っ越しや新しい家族の加入、飼い主の長期不在などが原因となることが多いです。

病気や加齢による体調不良

歯痛や消化器系の病気、腎臓病、糖尿病などの持病がある場合も食欲が低下することがあります。また高齢のため、食欲が落ちている可能性も。

食べ過ぎや偏食

猫缶やおやつを過剰に与えると、食欲が落ちる可能性があります。「おやつ食べ過ぎてご飯が食べれない」という状態ですね。

新しいごはんや食器への抵抗

馴染みのないごはんや、食器が変わると、猫は警戒して食べられなくなる場合もあります。

暑すぎ寒すぎな環境

真夏や真冬になると室温が暑い・寒い状態になり、活動自体あまりしなくなります。またお腹の運動にも影響を与えるため、ちまちま食べたり、まったく食べないことも珍しくありません。人でいう「胃腸バテ」という状態です…。

このように食べムラの原因はひとつとは限らないので、猫の様子の変化にも気付けるようにしておきましょう。

猫の食べムラで取るべき対処法5つ

ペットフード

1.ごはんを温めて香りをだす

猫の食べムラ対策として、まず実践してほしい対処法は「ごはんを温めて香りを出す」ことです。

猫は非常に発達した嗅覚を持っており、食べ物の香りには敏感です。ただ、ごはんは常温のままだと香りが弱く、食欲をそそられにくいのです。

そこで、ごはんをレンジで温めて香りを立たせてみましょう!猫の食欲をかきたてることができます。

ごはんを温める際は、電子レンジで20秒程度加熱するのがおすすめです。

あまり長く加熱しすぎると、かえって風味が損なわれてしまう可能性があるので、様子をみながら温めてください。

2.食べやすい食器を用意する

食べムラ対策では、食器を見直すことも大切なポイントです。

というのも猫は口を器に直接付けて食事をするので、深さのある食器から食べにくい傾向があります。

そして食器の形状次第では、食べづらさを感じて食事を控えてしまうことも珍しくありません。

そこで、猫に合った浅め・広めの食器を用意することが重要になります。たとえば浅い食器ならあまり首を落とさず、負荷なくごはんを食べられます。

クチが広めの食器なら、ひげがあたらず違和感も感じづらいでしょう。

また高齢や首に痛みがあり、首を下げて食べるのがつらいというパターンもあるので、高さのある猫用食器の導入を検討してもいいですね。

3.食事環境を見直す

猫の食べムラ対策として、「食事の環境を見直す」ことも忘れてはいけません。

猫は非常に環境に敏感な動物です。そのため食事をする場所の環境が快適でなければ、食事ができなくなってしまう可能性があります。

まずは食事場所の確認から始めましょう。猫は人気のない場所を好む習性があり、人の行き来が多い場所だと落ち着いて食事ができません。

温度や湿度なども猫にとって大切な環境要素なので、まずは静かで快適な空間を用意してあげましょう。

また他の猫や同居動物との関係性もポイント。猫は群れを作る動物ではありませんから、他の動物に邪魔されると食事をとらなくなってしまいます。

とくに多頭飼いの場合は個々の領域を確保し、それぞれに食事場所を設けるなどの配慮が必要です。

4.ストレス要因を取り除く

猫はとりわけストレスに敏感な動物です。環境の変化や生活リズムの乱れ、同居動物との関係など、さまざまな要因がストレスになり得ます。

ストレスが溜まると、典型的な反応として食べムラがあらわれやすくなるのです。

ですから対策のひとつとして、猫のストレス要因となるものはないか考えてみましょう。

生活環境に変化はなかったか、新たな家族は増えていないか、引っ越しはしていないかなど、最近の出来事を振り返ります。

思い当たるストレス要因があれば、できるだけそれらを取り除いてあげましょう。引っ越しなどは猫が慣れるのを待ちます。

また環境の改善に加えて、遊びや運動を取り入れてストレスを発散させることも大切です。おもちゃで思い切り体を動かしたりすると、猫もストレスが軽減されます。

5.獣医師に相談する

食べムラは一時的な問題であれば、環境の改善や食事内容の工夫などで改善が見込めることが多いですが、続くようであれば病気が潜んでいる可能性も考えられます。

猫は病気をなかなか表に出さない動物です。食欲がなくなっても、体調不良を訴えることはできません。そのため飼い主が些細な変化に気付くことが、何より大切なのです。

食べムラ以外に症状(体重減少・元気消失・毛づやが悪い・下痢や嘔吐など)がないか、しっかりと観察します。

もし何かしらの異変に気付いたら、獣医師に相談しましょう。食べムラの原因として、歯周病や消化器系の病気、腎臓病、糖尿病などさまざまな病気が考えられます。

まとめ

ごはんを食べない猫

猫の食べムラは飼い主を悩ませる問題ですが、適切な対策を立てることで改善が期待できます。

食べムラの原因は今回紹介したようにさまざまですが、できる範囲での対策を講じていくことが大切なのです。

猫の食べムラの原因に合わせて粘り強くアプローチすれば、きっと食べムラは改善していくはずです。

猫の健やかな食生活のためにも、今日からでも対策を始めましょう。

スポンサーリンク