猫が「段ボール」に魅了される理由
飼い主さんが購入した猫ベッドには目もくれず、梱包用の「段ボール」ばかりに興味を持ってしまう…。そんな猫あるあるともいえる現象はなぜ起こるのでしょうか。
また、段ボールが大好きなのは良いのですが、気が付けばその段ボールが見るも無残なほどにボロボロになっているのも猫あるあるですよね。
そこで今回は、猫たちがそれほどまでに「段ボール」に魅了される理由について、段ボールをボロボロにされるときの対処法と合わせて解説いたします。
1.温度感がちょうどいい
実は、段ボールは通気性や保温性に優れていることをご存じでしょうか。
夏は適度にひんやりとしていて冬は暖かいという特徴から、季節を問わず、猫の理想的な寝床になりやすいのです。
2.本能的に落ち着く
更に、本能的に落ち着くというのもポイントでしょう。猫は元々狭くて暗い穴蔵のような場所を寝床にしたり、獲物を待ち伏せる場所にしていました。
家猫にも野生の名残りがあるので、段ボールに入った瞬間に(なんかほっとする…♪)という感覚が芽生えるのかもしれません。
3.においが気になる
猫が段ボールに対して感じる魅力は、寝床としての機能性だけではありません。ご自宅に届くまでの過程で付着した様々なにおいに興味を持つことも理由のひとつです。
猫はとても好奇心旺盛な動物なので、嗅ぎ慣れないにおいに遭遇するとついつい反応してしまうものなのです。
新しい段ボールが手元に届くたびにクンクンとにおいを嗅いだり、スリスリと頭を擦り付けたりするのは縄張りにないにおいがするため。猫は、好みのものに自分のフェロモンを付けて縄張りにしたいという願望があるのです。
「段ボール」をボロボロにされるときの対処法
猫は段ボールを大切に扱う一方で、ボロボロになるほど破壊してしまうこともあります。実は、この行動にも本能が関わっており、理由は年齢によって少しずつ異なります。
まずは生後半年未満の子猫の場合。乳歯から永久歯に生え変わる過程で歯茎が痒くなることがあります。その際に、適度に噛み心地が良い段ボールがターゲットになりやすいのです。
成猫の場合はストレス発散のために破壊することが多く、狩猟本能から狩りをしている気分を味わっている可能性があります。
いずれの場合も、蹴りぐるみなどのおもちゃで遊ばせることで気持ちが満たされやすくなるでしょう。散らばった段ボールの残骸を片付ける手間も、愛猫が誤飲するリスクも避けることができます。
基本的に狩猟本能が消えることはないので、楽しく遊べるおもちゃを見つけること、そして積極的に遊び相手になってあげるように配慮してあげてください。
まとめ
猫たちが「段ボール」に魅了される理由は、どれも本能によるものでした。
具体的には、寝床として理想的なこと・獲物を待ち伏せるドキドキ感が味わえること・嗅ぎ慣れないにおいがすること・ストレス発散になることなどが挙げられます。
愛猫にとって安心できる場所になるのであれば、縄張りとして置いてあげると良いでしょう。可愛らしい布などを貼り付けることで、インテリアとしても映えると思います。
ボロボロにしてしまうことに関しては、大量に食べて腸閉塞になることだけは避けたいところ。子猫時代からおもちゃを上手に活用して、成猫になった後のストレス発散のスキルも向上させておきたいですね。
何はともあれ、猫たちにとって、「段ボール」には特別な魅力があるようです。