猫の『異常な呼吸』4つの症状別に原因を解説 正常な呼吸の解説も

猫の『異常な呼吸』4つの症状別に原因を解説 正常な呼吸の解説も

猫の呼吸がいつもと違うと感じたことはありませんか?速い、荒い、ゼーゼーしているなど異常な呼吸は猫の健康にとって重要なサインであり、放置すると深刻な問題につながる可能性があります。この記事では猫の呼吸の異常について解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

注意したい猫の異常な呼吸4つ

寝ている猫

通常、猫の呼吸は安定しており、鼻から吐き出す空気の量やリズムが一定です。異常な呼吸は、この通常のパターンから外れている状態です。

飼い主が注意を払いたい、猫の異常な呼吸は主に4つあります。

1.頻呼吸

猫が頻繁に呼吸する状態を「頻呼吸」と呼びます。

呼吸が速くなる主な理由としては、呼吸器疾患や循環器疾患により、酸素が不足している状態が考えられます。興奮や緊張でも頻呼吸は起こりますが、そのようなことがないのであれば様子見は絶対してはいけません。

猫に頻呼吸の症状がみられたら早めの対処が求められます。

2.体全体を使って行う一生懸命な呼吸

猫が体を使って一生懸命呼吸をしている場合も要注意です。

猫風邪や肺炎、喘息など呼吸器系の病気や循環器系の病気の可能性があります。

3.鼻翼呼吸

小鼻が膨らんで呼吸することですが、日常的には運動後や興奮した後に起こることがあります。このような場合は心配する必要はありません。

しかし、静かな状態で鼻翼呼吸が見られる場合は、呼吸が苦しい可能性が高いです。

このような症状が見られた場合は、早急に動物病院を受診しましょう。

4.開口呼吸

通常猫は鼻で呼吸をしますが、口呼吸をしている場合は異常な状態を示します。多くの場合その原因は心臓の問題や呼吸器の問題です。

気管支炎や肺炎などの呼吸器疾患、あるいは肥大型心筋症などの病気が原因で、猫が口で呼吸することがあります。

肥大型心筋症は心臓の壁が過度に厚くなることで心臓機能が低下し、その結果として肺にお水が溜まり呼吸が困難になり、口呼吸に至ることがあります。

異常な呼吸の原因

猫の鼻

呼吸器系の問題

肺炎や気管支炎、気管のどこかが狭くなっているなどが考えられます。

心臓の問題

心臓病は、猫の呼吸が荒くなる一般的な原因です。心臓が正常に機能していないと、酸素を効果的に全身に送ることができなくなり息切れが生じます。また心臓病が原因で肺にお水が溜まってしまうことで呼吸が苦しくなる場合も多いです。

アレルギー反応

突然の呼吸困難は、アレルギーが原因であることもあります。花粉やハウスダストなどが原因で、猫の気道が狭くなることがあります。

ストレス

ストレスや不安も猫の呼吸に影響を与えることがあります。環境の変化や他の動物とのトラブルが原因で、猫は急に呼吸が速くなることがあります。

猫の正常時の呼吸数は?

受診する猫

猫の正常な呼吸数は、睡眠時にはゆっくりと落ち着いているため、1分間に約15回から25回程度です。

起床時や活動中には、この数値がやや高くなり、1分間に20回から40回程度の範囲で呼吸することが一般的です。

もし安静時に1分間に40回を超えるような呼吸をしているようであれば、獣医師の診察をおすすめします。

まとめ

口呼吸をする猫

猫の呼吸が異常な場合、それは重大な健康問題のサインかもしれません。早期に原因を特定し適切な対処法を実践することで愛猫の健康を守ることができます。

異常を見逃さないために日ごろからチェックを習慣化し、異常を感じたときは速やかに専門家に相談しましょう。

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