猫の『偏食』が引き起こす健康トラブル3選 きちんと食べてもらうための対応も紹介

猫の『偏食』が引き起こす健康トラブル3選 きちんと食べてもらうための対応も紹介

猫は、食べ物に対する好き嫌いが激しく「偏食」の子が多いと言われています。しかし、猫の偏食を放っておくと健康トラブルにつながる可能性も…そこで今回は、猫の偏食が原因となる健康トラブルや、偏食をやめさせるための対処法についてお話しいたします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.栄養バランスの偏り

飼い主におやつをもらう猫

猫の偏食が続くと、健康的な毎日を送るために必要な栄養素を十分に摂取できなくなってしまいます。

私たち人間も偏った食生活を続けていると病気のリスクが高まるのと同じように、猫も栄養バランスが偏ると生活習慣病をはじめとする、さまざまな病気のリスクが高まってしまいます。

特におやつばかりを食べる猫は要注意です。

おやつは濃い味付けのものや嗜好性が高く作られていることがほとんどですので、与えすぎるとおやつ以外の食べ物を食べなくなる場合もあります。

おやつだけでは当然栄養バランスが偏りますし、体重の減少や肥満など、健康トラブルを引き起こす原因となります。

2.免疫機能の低下

ぐったりする猫

偏食が原因で栄養不足になったり何らかのストレスを感じると、免疫機能が低下することがあります。

免疫機能が低下すると、細菌やウイルスに感染しやすくなったりさまざまな健康トラブルにつながってしまいます。

猫の免疫力を高めるためには、できる限りストレスを解消させてあげるのはもちろんのこと、偏食を改善し、バランスの整った食事を取ることも重要です。

主にタンパク質やビタミン、ミネラルを豊富に含んだ食事を心がけることで免疫力を高める効果が期待できます。ただしこれらの栄養素も過剰に与えすぎるのはいけません。

3.肝リピドーシス

カリカリを拒絶する猫

偏食などが原因で猫が食事を取らず栄養を摂取できない状態が続くと、「肝リピドーシス」という重い肝機能障害を引き起こす場合があります。

肝リピドーシスとは「脂肪肝」とも呼ばれており、肝臓の組織や細胞の中に脂肪が溜まって肝機能が低下してしまう危険な病気です。

猫が2~3日食事を取らない場合は、肝リピドーシスになるリスクが高まりますので、すぐに動物病院を受診しましょう。

肝リピドーシスを予防するためにも、栄養バランスの整った食事をしっかり取って、食べない期間を短くすることが大事になります。

偏食をやめさせるための対処法

飼い主が出したフードを見つめる猫

猫は人肌ほどの温度の食べ物を好む傾向にあるので、フードを温めると食べてくれるようになる場合があります。

ウエットフードはもちろんのこと、ドライフードを温めると中の油がじんわり溶け出して香りが強くなるので、匂いを感じにくくなったシニア猫にもおすすめの方法です。

また、猫が「いつでもフードを食べられる」と認識してすぐに食べない場合もあるので、置き餌をやめて食事の時間を決めることも有効な方法です。少々心苦しくはありますが、一定の時間内に食べないようであれば、一度フードをさげるのも効果的です。

猫の偏食を改善するのは時間がかかる場合も多いので、根気強く向き合うことが大切です。

まとめ

テーブルの上のフードに手を伸ばす猫

いかがでしたでしょうか。

今回は、猫の「偏食」が原因となる健康トラブルや、偏食をやめさせるための対処法についてお話しいたしました。

猫は食へのこだわりが強いため、偏食にお困りの飼い主さんはたくさんいらっしゃると思います。

さらに、警戒心が強く頑固な性格の猫は、一度でも「美味しくない」「気に食わない」と感じた食べ物は、その後もなかなか食べてくれなくなります。

偏食は猫の健康に直結する問題でもありますので、さまざまな方法を試して、愛猫に合う偏食の改善方法を見つけてあげてくださいね。

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