愛猫との『添い寝』に潜む注意点4選 ケガや感染症の原因になることも

愛猫との『添い寝』に潜む注意点4選 ケガや感染症の原因になることも

愛猫と一緒に眠るひとときは幸せな時間ですが、いくつかのリスクもあります。猫との添い寝で、どのようなトラブルが起きやすいのでしょうか。猫と添い寝をする場合に気をつけたい注意点と合わせてご紹介します。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

愛猫との「添い寝」に潜む注意点

猫と一緒に寝てくしゃみがでそうな少女

愛猫との「添い寝」は、猫を飼い始めるときに憧れる光景のひとつですよね。しかし実は、猫と一緒に寝ることでいくつか注意すべき点があるのをご存じでしょうか。

その注意点に気付かずにいると、ケガや感染症の原因になる場合も…。

そこで今回は、愛猫との「添い寝」に潜む注意点について解説します。愛猫と残念なことにならないように、きちんと確認しておきましょう。

1.感染症の心配

猫と添い寝する際に気をつけたいのが、人にもうつることのある「人獣共通感染症」です。

もともと猫が保有している菌が人の体内に入って感染する場合もあれば、猫が外猫と接触して人にうつしてしまうこともあるでしょう。

とくに愛猫が家の中と外を行き来している場合、ノミやマダニの寄生も心配です。猫も人も菌やウイルスに感染したノミやマダニに刺されると、さまざまな症状を引き起こします。中には猫と人の双方の命に関わる病原体もあるので、外に出る猫はノミ・マダニ予防を行いましょう。市販の薬では効かないこともあるので、動物病院で処方してもらう薬を使う方が安心です。

2.猫アレルギーの発症

飼い主さんが猫アレルギーを発症している場合、猫と添い寝をすることでくしゃみや鼻水、体のかゆみなどのアレルギー症状が強くあらわれることがあります。

猫アレルギーの症状は軽度の風邪や花粉症と似ているため、アレルギー検査をしないとわからないこともあります。

中には呼吸困難になるほど劇症化する人もいるので、症状が改善されない場合は人の病院に相談しましょう。

3.猫を窒息させてしまう可能性

猫と添い寝をする場合のリスクは、寝返りで猫に体重をかけて窒息させてしまう可能性も考えられます。

とくに体の小さな子猫や体力が少ない高齢猫は、体をふまれてしまうと逃げ出すことが難しいです。

逆に、赤ちゃんや幼児が猫と添い寝をしている場合も、猫の体重がかかってしまう、顔を覆うような体勢になると大変危険です。

4.猫に「噛まれる」「引っ掻かれる」などのケガ

添い寝中に猫が驚いたり不快感を感じたりすれば、当然相手が大好きな飼い主であっても噛んでしまったり引っ掻いてしまったり、というような攻撃的な行動をすることもあるでしょう。

たとえば、人が寝返りして猫の体の一部を踏んでしまったとき、雷や大雨による外の物音や地震など、警戒心から突然パニックを起こすことも考えられます。

猫の性格にもよりますが、必ずしも「絶対安全」とは言い切れないでしょう。

猫との「添い寝」で起こるリスクを避けるには?

獣医に予防接種される猫

愛猫と添い寝をしたい場合は、起こり得るリスクをなるべく少なくするための対策が必要になります。

  • 室内飼育の徹底
  • 猫の体の手入れ
  • 感染症の予防接種
  • 動物病院での健康診断

基本的には、猫の体を清潔に保つように意識しましょう。ブラッシングで余計な毛を落としておいたり、寝具を小まめに洗ったり、コロコロで抜け毛などを取り除いたりすることでアレルギー反応を軽減させることができるかもしれません。

猫が外から感染症をもらわないように他の外猫との接触をさせないようにしたり、ノミ・マダニの予防をしたり、人にうつる病気は予防できませんが猫自身のために予防接種を受けておくことも大切です。なるべく動物病院で定期的な健康診断を受け、猫が健康な状態であるときに添い寝をするようにしましょう。

まとめ

猫と添い寝する女性

愛猫との「添い寝」は飼い主にとっては癒しの時間です。しかし、場合によってはケガや感染症のリスクも潜んでいるため、十分に注意する必要があります。

なお猫からうつる感染症は、特に免疫力が落ちているときは感染・発症リスクが高まるため油断はできません。

猫と添い寝する場合は、飼い主さん自身と猫両者の健康状態を確認し、清潔な寝床を保つなどの対策を積極的に行うことが大切です。

後悔しないためにも、きちんと準備や対策を施した上で、愛猫との幸せな「添い寝」を堪能できるようにしたいですね。

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