飼い主のだらしなさによる猫のリスク5つ
愛猫の存在は家族同然ですが、すべて人間の家族と同じようにはいきません。
やるべきことはやる必要があります。飼い主のだらしなさは、猫にとって命取りになるかもしれないからです。
1.食事に関するリスク
飼い主が猫の食事を適当に管理していると、猫の健康に悪影響を与えることがあります。
キャットフードのパッケージには、猫の体重に合わせた適切な分量が記載されています。しかし、量を気にせずに与えていると、猫が食べ過ぎて肥満になる可能性があります。肥満になると、関節疾患や糖尿病などにつながり、体に負担を与えたり寿命が短くなる危険もあります。
また、「一般食」や「副食」など栄養が不十分なキャットフードを長期間与えることで、猫が栄養不足になる可能性があります。さらに、人間の食べ物を適当に与えるのも厳禁です。
猫にはタウリンやビタミンAなど必要な栄養素があるため、栄養バランスの良い「総合栄養食」を適量与えることが推奨されます。
2.衛生面に関するリスク
猫が口をつけた食べ残しや飲用水は菌が繁殖しやすく、食中毒などのリスクが高まります。時期によっては腐敗し、悪臭や害虫の発生の原因にもなるため、食後の片付けや飲用水のこまめな交換が必要です。
また、トイレの清掃も重要です。猫はきれい好きなため、トイレが汚いままだと不適切な場所で排泄する問題行動の原因になります。またトイレに行くことを我慢しすぎて、泌尿器系の病気になる危険もあります。
猫の生活環境を清潔に保たないと、猫の健康だけでなく飼い主自身も悪臭などに悩まされる可能性があるため、こまめな掃除が必要です。
3.健康管理に関するリスク
猫がいつまでも元気だと思い、健康管理をおろそかにするのも飼い主の怠慢です。
猫は言葉で痛みや不調を訴えられないため、健康を維持するためには、飼い主による観察が必要です。
定期的な健康チェックを怠ると、潜在的な病気を見逃しやすく、治療が長引いたり困難になったりする場合があります。特に、内臓の病気は症状が明確でない限り、動物病院での検査せずに飼い主が気付くのは容易ではありません。
また、感染症予防を怠ると、命にかかわる重大な病気になることもあります。一般的な予防接種は特定の感染症から猫を守り、病気の拡大を防ぐためにも大切です。
ただし、ワクチン接種には健康状態や年齢などの条件がありますので、受けるときには事前に獣医師に相談しましょう。
4.脱走リスク
好奇心旺盛な猫は、家の外に興味を持つことがあります。特に、大きくなるまで野良猫だった子は、外での生活を恋しがることもあるかもしれません。
この際に、飼い主が普段から脱走防止を怠っていたり、戸締りや猫の関心に対してだらしがない場合、猫が逸走するリスクが高まります。
猫が逸走するタイミングは、飼い主が外出から帰宅してドアを開けた瞬間や、換気などで窓を開けたままにしているとき、移動時にキャリーの扉が開いてしまったときなどがあげられます。
ふだんから注意深く安全を確保している飼い主さんが多いものの、それでも一瞬の気のゆるみで猫を外に出してしまうこともあります。
迷子になった猫は、交通事故や野生動物との接触、異物・毒物の誤飲など命の危険にさらされます。猫の逸走リスクを決して軽く考えないようにしましょう。
5.誤飲やケガなど安全面でのリスク
住宅は人が暮らすためにできているので、猫にとっての危険がいくつもあります。
ごく普通の家庭にも見られる、猫にとって危険な場所や物には、次のようなものがあります。
- 電源コード
- プラスチック類
- お湯の張った浴槽
- 洗濯機や乾燥機の中
- 冷蔵庫と壁など細い隙間
- 洗剤や漂白剤など化学物質
- 開けっ放しになった食品保存場所
- 階段など高所から落下の危険がある場所
これらを放置することで、猫が誤飲や落下する危険があり、深刻な状況を引き起こすことがあります。特に電源コードは、猫の感電だけでなく、傷ついたコードの使用によって火災の原因にもなります。
家の中の危険な場所や物は、猫の手に届かないようにする工夫が必要です。
愛猫を危険から守るための対策
何から何まで人のだらしなさを完璧に修正することが、必ずしも猫の安全を守るとは限りません。ポイントをおさえて、人も猫も安心安全で暮らせる環境を作りましょう。
時間を決める
猫の食事は、朝と夜(夕方)に時間を決めて出しましょう。時間の都合が難しい場合には、自動給餌機を使うのもよいかもしれません。
猫の食後は、食器洗いと飲用水の交換、トイレ掃除まで一緒にすれば必要なお世話が一度で片付きます。
動物病院での健康診断や予防接種は、スマホのリマインダー機能を使うのも便利です。病院によってはお知らせハガキやメールをしてくれるので、頼んでおくと忘れずに済みます。
脱走防止対策は必須
飼い主がドアや窓を開けっ放しにするうっかりを直せなくても、自動クローザーや窓に安全ネットや格子を使えば、猫が外に出るのを防げます。
さらに、ウインドウストッパーを使って、窓が必要以上に開かないようにしておけば安心です。
収納ボックスを活用する
猫に危険な家庭用品や猫のおもちゃなどは、専用の収納ボックスを作っておくことで、片付けが簡単になります。
もちろん、猫が簡単に開けられないようにしておくことが大切です。
ただし、あまりしっかりとしまい込むと、今度は人間がめんどうになって収納をやめてしまうので、できれば簡易的なロックにしておきましょう。
まとめ
飼い主の怠慢や無知が原因で、猫が遭遇するリスクはたくさんありますが、猫が心身とも健康でいるためには、栄養や衛生面、生活環境内の安全対策は欠かせません。
とはいえ、すべての飼い主が完璧にできるワケではないでしょう。
そのため、今回紹介した5つのリスクが最低限気を付けたいポイントになります。
項目を絞って対策をすることで、だらしがないという自覚がある人でも、猫も安心して暮らせる環境を整えることが可能になります。
最初は面倒臭く感じるかもしれませんが、愛猫の健康と安全を守るために、ちょっとだけ頑張ってみましょう。