愛猫に『不自然な動きや様子』が見られるときの原因5つ 深刻な健康トラブルのサインかも?

愛猫に『不自然な動きや様子』が見られるときの原因5つ 深刻な健康トラブルのサインかも?

上手く説明はできないけれど愛猫の様子がおかしい。その違和感や不自然な行動は、何らかの健康トラブルのサインかもしれません。今回は、愛猫に「不自然な動きや様子」が見られるときの原因について解説いたします!

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

愛猫に「不自然な動きや様子」が見られるときの原因

手当を受ける猫

例えば歩き方がいつもと違う、壁に顔を押し当てたまま動かないなどの「不自然な動きや様子」が愛猫に見られる場合、何らかの不調を抱えている可能性があります。

そこで今回は、愛猫に「不自然な動きや様子」が見られるときの原因について解説いたします。愛猫のいざという時のために確認しておきましょう。

1.脱臼や骨折などの怪我

安全が確保されていると思われる室内でも、思わぬ怪我は起こり得ます。例えば、脱臼や骨折です。

主な原因としては、「椅子から転落する」「ジャンプに失敗する」「爪が引っかかる」などが挙げられます。

このように、何らかの事情で怪我をした場合は痛む場所をかばった動きを取ります。足を引きずっている、片腕がブラブラした状態になる、などの様子が見られたら要注意です。

触れると痛がったり、明らかな異変がある場合は、すみやかに動物病院を受診してください。

2.呼吸器系や心臓の病気

猫も熱中症になりますし、風邪が悪化すれば肺炎を起こすことがあります。喘息を発症することもあり得ます。人間同様に、心臓系の病気を患うこともあります。

これらの疾患で共通しているのは『開口呼吸』です。猫は鼻呼吸が基本の動物で、犬のように「ハァハァ」と口を開けた呼吸をすることはありません。

猫が口呼吸をしていたら、何らかの原因で呼吸困難が起きていると捉えてください。動物病院で診察を受けるのはもちろんのこと、診察時の情報として動画を撮影しておくと役立ちます。

3.痙攣発作

ぐったりする猫

倒れ込んだ状態から硬直したり、体を反ったり、バタバタと震える様子が見られた場合は『痙攣(けいれん)』を起こしていると思ってください。

主な原因としては脳の疾患や尿毒症が挙げられます。それほど多くあるケースではありませんが脳腫瘍や脳梗塞と言った脳の病気から痙攣が起こる可能性があります。また、慢性腎不全の末期症状である尿毒症から起こる痙攣もあります。

自宅で痙攣が起きた場合は、痙攣が一旦落ち着くまでは動かさないでください。ちなみに発作時は、体に触れることもNGです。噛み付かれて負傷する可能性があります。

ここで、飼い主さんにやってほしいことが2つあります。それは、「体を打ち付けて二次的な怪我を負わないように座布団などを置くこと」と、「動作を撮影すること」です。動画が必要になる理由は先ほどと同様です。

4.脳血管系の病気

脳内にウイルスが侵入したり、脳血管系の病気を患った猫には、ある特異的な行動が見られます。それは『ヘッドプレッシング』というものです。

ヘッドプレッシングとは、頭を壁に押し当てたまま動かない行動です。一見すると、しょんぼりしているように思えて愛らしさすら感じるかもしれません。

しかし、猫は落ち込んでもこのような行動を取ることはないので、病気によるものだと思ってください。やはり診察が必須です。

ちなみに謝罪しているようなポーズで眠る通称『ごめん寝』は寝相の1つであり、普段通りの生活が送れていれば問題ありません。

5.膀胱炎や尿石症

頻繁にトイレに行くのに尿が出ていない、トイレに行く度に悲鳴やうめき声のような声を発するなどの行動が見られたら、尿路系にトラブルが起きている可能性があります。

その他にも、うずくまった状態のまま動かないという症状が見られる場合があります。何れにしても、このような異変からは膀胱炎や尿路結石などが疑われ、本人(猫)も痛みを堪えている状態です。

いわゆるおしっこトラブルが疑わしい(丸1日排尿がない)場合は、その日のうちか、遅くとも翌朝には診察を受けてください。特に尿道が細いオス猫は、早期治療に繋げなければ命に関わります。

まとめ

頭を壁に押し当てて眠る猫

猫は言葉で不調を訴えることができません。また、本能的に体調不良を隠してしまう傾向にあります。

それでも体調が優れない時や、怪我による痛みを抱えている時は、普段とは異なる行動を取ってしまうもの。明らかに不自然な様子が見られた時は、何らかのトラブルが発生していると思ってください。

今回は解説した不自然な動きや様子の原因となるものは、いずれも自然治癒をする可能性が低い病気です。

日頃から愛猫とコミュニケーションを取り、よく様子を見てあげてください。(何かおかしい…)という直感は、飼い主さんだからこそ見抜ける違和感です。変だと思ったら、獣医さんを頼って早期発見・早期治療に繋げていきましょう。

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