猫には『ドライフルーツ』が危険な4つのワケ 最悪死に至ることも…

猫には『ドライフルーツ』が危険な4つのワケ 最悪死に至ることも…

ドライフルーツ自体は猫も食べることができますが、与える際には注意が必要です。また果物のなかには、猫が食べると中毒を起こしたり、アレルギーの原因になったりするなど危険なものもあります。猫にドライフルーツを与えることで考えられる危険について紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.食物繊維や糖分の過剰摂取になる

果物に囲まれた猫

ドライフルーツは水分を抜いて軽くなっているだけで、栄養価が減っているわけではありません。むしろ成分が凝縮されているため、少量でも食物繊維や糖分の摂りすぎになってしまう可能性があります。

また人間用に加工されたドライフルーツには、砂糖が添加されているものも多いので、体が小さな猫にとっては簡単に糖分の過剰摂取になるでしょう。

食物繊維と糖分を過剰に摂取すると軟便や下痢の原因になってしまうことがあるため注意が必要です。

2.中毒を引き起こす

カゴに入ったみかんと猫

果物のなかには猫に与えると中毒を引き起こす成分が含まれているものがあります。ドライフルーツにする果物では以下に注意が必要です。

  • ブドウ
  • イチジク
  • 柑橘類の皮

レーズンの原料となるブドウは、犬が食べると腎不全の原因になると言われています。猫も同様だと考えられており、注意が必要な果物となっています。

レーズンはパンやクッキーなどお菓子に含まれていることも多く、気付かずに与えてしまうリスクがあるため注意しなければいけません。

イチジクには猫にとって危険な「フィカイン」や「フラノクマリン」という中毒成分が含まれています。とくにフィカインはタンパク質を分解する酵素が含まれており、口に入れると粘膜を傷つけてしまうおそれがあります。

柑橘類の皮に含まれているリモネンは、猫にとって危険な成分です。嘔吐、手足の痙攣(けいれん)、低体温などが報告されています。柑橘類のドライフルーツは、皮ごと使用されていることが多いため注意が必要でしょう。

3.肥満や糖尿病の原因になる

体重計の前に座っている肥満の猫

上にも書きましたが、ドライフルーツには糖分がたくさん含まれています。そのため少しだけのつもりでも、糖分の過剰摂取につながるおそれがあるのです。

猫が糖分を過剰に摂取すると、肥満の原因になります。肥満は糖尿病などの病気の原因にもなり得るため注意が必要です。また果物に含まれているブドウ糖やショ糖は血糖値を上昇させ、高血糖の原因にもなります。

そのほか肥満になると、関節の病気、心臓病、呼吸器の病気、脂肪肝などの病気が懸念されます。

このようにドライフルーツは、猫にとってさまざまな病気の危険因子となり得るのです。

4.食物アレルギーの原因になる

頭を掻いている猫

猫の食物アレルギーの原因には、マンゴーやパパイヤなどドライフルーツに使われる果物もあるため注意が必要です。

もしドライフルーツを食べたあとに体をかゆがる、嘔吐や下痢などの消化器症状が見られるといった場合は、食物アレルギーの可能性があります。

食物アレルギーは、口のかぶれやかゆみ、口周辺の炎症などの軽い症状から、命にかかわる重篤な症状(アナフィラキシーショック)を起こすこともあります。

気になる症状があれば、早めに動物病院を受診することをおすすめします。

まとめ

ドライフルーツに囲まれている猫

猫もドライフルーツを食べることはできますが、ドライフルーツは猫にとって必要な食べ物ではありません。

また食物繊維や糖分などの栄養素を過剰に摂取してしまうおそれがあるため、猫の健康のためにも、与えないようにすることをおすすめします。

また猫にとって有害なブドウを原料としたレーズンは、パンやクッキーなどのお菓子に使われることも多いです。

知らず知らずにうちに与えてしまう可能性もあるため、人間の食べ物は食べさせないようにしましょう。

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